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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第520話】
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 込み上げてくる感情が抑えられないスレートに、シルバーはクスクスと微笑むと――。


「ふふっ、スレート。 落ち着きなさい」

「あ……す、すみませんシルバー。 ウィステリア様もすみません。 ……気分は悪くないです」

「成る程。 ……その機体は君のものだ、大事にしたまえ」

「は、はい。 ……これでやっと僕も……ウィステリア様の力になれる……!」


 感情が抑えきれないスレート、そんな中カーマインはウィステリア・ミストという存在に更に興味を示した。


「カーマイン、すまなかったな」

「あぎゃ、構わねえさボス。 イルミナーティの戦力が増えるのは悪くないしな。 良いもの見させてもらったぜ、ボス」


 そう言い、カーマインはシルバーの横を抜けて整備室を後にした。


「……あぎゃ、いつかはスレートとも手合わせしたいものだな、あぎゃぎゃ」


 楽しみが増えたと思い、カーマインは楽しそうに笑いながら自室に戻っていった。

 そして時間はあっという間に過ぎ、夜中。

調度品で彩られた部屋の隣の寝室に、ウィステリアとシルバーは居た。


「スレート……凄く喜んでいたわね」

「そうだな」

「兄さんは……スレートがカーマインに対して嫉妬していたのに気付いていたのね」


 他に誰もいない寝室、気が緩んでいるのか兄さんと呼んでしまった。


「まあな。 ……俺はあの男のような【唐変木】ではないからな」


 シルバーの兄さん呼びを咎めることなく、過去を思い出すように呟くウィステリア、シルバーも腕組みして――。


「懐かしいわね。 ……とはいっても、あの頃の私と兄さんは【敵同士】だったわけだけど」

「そうだな」


 そう呟くと互いに沈黙――静寂に包まれたのだが。


「……ねえ兄さん」

「どうした?」

「どうして私を【亡国機業】に派遣しなかったの? モノクローム・アバター含め、あの組織に派遣するなら私の方が適任だと思ったのだけど」

「…………」


 シルバーの問いに答えず、ただ窓から景色を眺めるウィステリア――仮面は外され、整った素顔が露になる――その素顔は、肌の色以外はある人物とそっくりだった。


「もしかして兄さんは――私の事を思って……」

「さあな」

「……兄さんの意地悪」


 答えをはぐらかす兄に唇を尖らせる妹――小さくため息を吐くと。


「まあ良いわ。 兄さん、それじゃあ私は自室に戻るわね? ……それとも、一緒に寝る?」

「馬鹿を言うな。 妹と寝るにしてはお前は大きすぎる」

「もう、冗談よ冗談。 じゃあおやすみなさい、ボス」


 そう言って寝室を後
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