機動戦艦ナデシコ
1349話
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…
「どうした? 何かあったのか?」
そう問い掛けると、すぐに我に返ったあやかは、口元を手で隠す。
『すいません、アクセル君。ちょっと気が昂ぶってしまいましたわ』
「いや、それはいいんだけどな。何だってそんな風になったんだ?」
そう問い掛けても、中々言葉を発しようとしないあやかだったが、数分程粘ると、やがて観念したように口を開く。
『その、私を含めてこちらに来ているシャドウミラーの政治班は皆若い女性じゃないですか』
「そうだな。唯一の男手のレオンはホワイトスターに残っているし」
正確にはレオンの部下として働いている男達もいるんだが、そいつらは政治班の所属という事になってはいるが、実質的にはレオン直属の部下だ。
マクロス世界で最後までレオンに付き従った、忠誠心溢れる部下……なのか?
正直なところ、マクロス世界でのレオンはとてもではないが忠誠を尽くすべき相手には思えない。
フロンティア船団でクーデターを起こそうとしたり、ギャラクシー船団と手を組んでバジュラを支配しようとしたり。
だが、そんな状況であっても、レオンの部下達はレオンに最後まで付き従ったのだ。
……本当に疑問だよな。
ともあれ、そんな風に自分に忠誠を誓ってくれる相手にはレオンも思うところがあるようで、かなり手厚く扱っている。
『それで当然なのですが、連合軍や連合政府から派遣されてくる人物は皆が私達よりも年上の男性なので、どうしても甘く見られているところがあるんです。勿論、向こうも意図してそれを表に出しているのではなく、何となく言葉の端々に臭わせてしまうというのが正しいのでしょうが』
「あー……なるほど」
基本的に交渉というのは経験がものを言う世界だ。
そうである以上、当然ながら向こうから派遣されてくるのはベテランと呼ばれるだろう人物な訳で……
それでも年寄りという訳ではなく、ある程度体力のある人材を送ってきているのは、これが体力勝負というか、タフな交渉になると向こうでも理解しているからだろう。
『それに何を勘違いしているのか、自分達の方が優位にあると思って高圧的に接してくる人もいて……そういう方達は、決まって金銭やその……夜の接待を要求してくるのですわ』
「ほう」
自分の口から出たとは思えない程の、低い声。
それを聞いたあやかは、慌てて手を振る。
『安心して下さい、勿論そのような要求をしてきた方には丁重に……それはもう丁重にお引き取り頂きましたから』
「だろうな」
何で向こうがそんな馬鹿な人物を送ってきたのかは分からないが、あやか達の身体を要求したような人物は、まさかあやか達がナデシコ世界では勝てる相手がいないだろう程の生身での戦闘力を持っているとは思わなかったのだろう。
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