第二話 幼きよき日々その五
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「マイラ様に縁談のお話が来ています」
「縁談ですか」
「はい、ロートリンゲン家からの」
「ロートリンゲン家というと」
マイラもその家の名を聞いて驚きの声を挙げた、そのうえで言うのだった。
「あの権門の」
「そうです、皇帝の位も持っていますね」
「かなりの領土も持っています」
「そのロートリンゲン家の方とです」
「私がですか」
「縁談のお話が来ています」
「信じられません」
マイラは素直に己の気持ちを述べた。
「その様なことが」
「そう思われますね」
「はい」
「しかしです」
それでもという返事だった。
「このことは事実です」
「そうしたお話がですか」
「進んでいてです」
そしてというのだ。
「マイラ様にあの家の助けが来ることになります」
「大陸一の家の」
「これは大きいですね」
「信じられないまでに」
「これが光です」
司教は言い切った。
「マイラ様には最高の後ろ盾がつくのです」
「側室の子だというのに」
「ですから側室かどうか」
「そうしたことは」
「大した問題ではありません」
「私が王女であり」
「王位の継承権をお持ちです」
このことがというのだ。
「重要なのです、そして」
「そこにですね」
「学問と信仰があれば」
「尚よいのですから」
「私は学問を行い続けるべきですね」
「そして信仰を持たれることです」
旧教のそれをというのだ。
「是非共」
「わかりました、それでは」
マイラは司教のその言葉に頷いた、そしてだった。
彼女は学問を続けた、学問の後は礼拝だった。司教の下そうしたもので時を過ごす日々を送っていた。だが。
マイラのその話を聞いてだ、父である王はこう言った。
「マイラはだ」
「はい、よりですね」
「マリー達といてだ」
「人を知るべきですね」
「学問はいい」
王は大公に言った。
「それは己を高める」
「そうなりますね」
「しかしだ」
「マイラ様はですね」
「書ばかり読んでいる」
そうした学問ばかりしているというのだ。
「そして信仰だ」
「旧教の」
「旧教はだ」
信仰のこともだ、王は話した。
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