第三十一話 リッシュモンの反撃
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「……」
「……分かりました。リッシュモンに任せます。あの子を助けてあげて」
「御意」
この時、リッシュモンは頭を深々と垂れながらほくそ笑んだ。
☆ ☆ ☆
1週間経った。
マクシミリアンは3ヵ月後に控えたカトレアとの結婚式の為、各方面からのお祝いの手紙の返事を書いていた。
「マクシミリアン殿下、一大事です!」
密偵頭のクーペが、ノックの後、執務室に入ってきた。
「クーペか、どうした?」
「はい、今入った情報によりますと、王宮にて貴族達が殿下を弾劾を叫んでいるとの事!」
「弾劾? 僕を?」
「しかも、マリアンヌ王妃殿下のお墨付きを得たとも叫んでいるそうです」
「母上のお墨付き?」
「はい」
「バカな……母上が政治的な事をするとは思えない。誰かに乗せられているんじゃないか? クーペ、急ぎ情報収集を。僕も急ぎ登城する」
「御意」
クーペは一礼すると小走りに去っていった。
マリアンヌは政治にまったく興味を持たず、本来なら先代フィリップ3世が崩御した後、女王に即位して夫のアルビオンのエドワードを宰相に就ける予定だったが、本人は即位を嫌がり急遽エドワードをエドゥアール王として即位させマリアンヌは王妃に納まった経緯がある。
「誰か、ダグー警備隊長とコマンド隊のド・ラ・レイ隊長を呼んでくれ。それとラザールにも」
数分後、二人の男がマクシミリアンの前に居た。
「揃ったな、状況を説明する」
マクシミリアンが王宮での異変を説明した。
「ダグー隊長は、僕の常備軍500人を指揮して新宮殿周辺を固めてくれ」
「御意」
分厚い眼鏡で見えないが、常に仏教面のダグーはマクシミリアンの命令を了承した。
「殿下、質問の許可をお願いします」
「ん、許可する」
「王宮の軍勢がやって来た場合、先制攻撃の許可を頂けませんでしょうか?」
「……駄目だ、許可できない」
「御意。では、門は如何いたしましょう、全て閉めますか?」
「……門も閉めてはならない。王宮に間違ったメッセージを送る可能性がある。歩兵達も周囲から見えないように伏せさせてくれ」
「御意」
それきりダグーは黙った。
現在、最新の『ミニエー銃』を持つ軍勢はダグーに指揮権を譲ったマクシミリアン旗下の常備軍500名しか居ない。
一応、王宮にも1千挺を献上したが、王軍の将軍たちには見向きされずに武器庫の中で眠っているそうだ。
「ド・ラ・レイ隊長はコマンド隊に出動準備を。命令があったらすぐに出られるように
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