第五十四話 杉山大佐!囲碁色々!!その七
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「専属じゃないからね」
「だからなのね」
「この条件よ、もっとも他の娘も同じ条件で入ってもらってるけれどね」
「成程ね」
「だからね」
それでというのだ。
「この条件でどう?」
「それじゃあ」
瞬も頷いてだ、入部届けを書いたのだった。こうして瞬は囲碁部にも所属することになった。そのうえでだった。
同級生は瞬にだ、こうも言ったのだった。
「囲碁も注目される様になったのよ」
「ああ、漫画にもなって」
「もう古いっていい漫画だけれど」
「ヒカルの何とかね」
「そう、その漫画からね」
「注目されだしてるのね」
「ずっとお爺さんがやるものだったのよ」
和室で暇潰しの様にしていたのだ。
「これはね」
「それが変わったのね」
「そう、その漫画がはじまる前は日本人の部員は少なかったそうなのよ」
「留学生の部員が多かったの」
「中国からの子とかアジアの文化に興味にある欧米の子とかね」
「日本人の子よりも」
「そうだったらしいわ」
その漫画の連載がはじまる前はというのだ。
「どうやらね」
「そうだったのね」
「それが今は日本人の子もなのよ」
「結構いるのね」
「そう、ただ一番強い娘はね」
女子部員の中でというのだ。
「イギリスからの娘なのよ」
「へえ、イギリス人の娘なの」
「そうなのよ、今日は私用で来てないけれど」
「そんなに囲碁強いの」
「誰も勝てない位にね」
それ位にというのだ。
「強いわよ」
「イギリスといえばチェスだけれど」
「囲碁に興味があったらしくて」
「留学してなの」
「囲碁部に入ってね」
そしてというのだ。
「やってみたら強くて」
「もう囲碁部でなの」
「最強なのよ、しかもね」
「しかも?」
「礼儀正しいレディーよ」
そうした娘だというのだ。
「穏やかでね」
「いい娘なのね」
「何でもスコットランドの古い農家の娘らしいけれど」
「農家の?」
「そうなの、そこからね」
「日本に留学したの」
「何でも将来は農学部行きたいらしいわ」
その娘の将来の夢も話される。
「高校は普通科だけれどね」
「その普通科からなの」
「農学部になのね」
「行きたいらしいのよ」
「農業科に入らなかったのね」
かなり真剣にだ、瞬は尋ねた。
「そうしなかったのね」
「うん、何かそこはご両親の考えらしくて」
「スコットランドの」
「まずは日本語を正しく学んで」
そしてというのだ。
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