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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第519話】
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扱えた時点でアドバンテージがありまくりなのが気になったがな」


 そう俺がいうと、罰の悪そうな表情を浮かべ、頬を掻くラウラ。


「……黙っていた訳ではないが。 ドイツに似たような物が存在していて、な。 用途としてはインストールされる前のISの装備や他にも実験装備の運用試験などに用いられていたのだ」


 そう説明するラウラに、腰を擦りながらシャルは含みのある眼差しでラウラを見――。


「へぇ、だからあんなに上手かったんだね?」

「う……」

「何てね、少し意地悪だったね、ラウラ、ごめんね?」

「い、いや、構わない。 ……結局、そういったアドバンテージを隠していた私は、嫁に敗れたのだ。 天は誰かを見てる――という事だろう」


 多分そのアドバンテージがラウラの中で小さな慢心を生んだのだろう――まあ気に止む事でもないのだが――と。


「てかラウラ、わざと顔面狙っただろ」

「無論だ。 戦場では相手の命を確実に奪うのは脳天に一発の弾丸を撃てばいい。 だが――うっかり私はフルオートで撃ってしまった、ただそれだけだ」


 まあ明らかにわざとなのは明白なのだが突っ込むのは野暮だろう――そもそも、ラウラは一夏を嫌っているのには変わらないのだから。


「そんなことよりも、このEOSとやらは、本当に使い物になりますの、織斑先生?」

「……使ってみた身としては、非常に扱いにくい印象だったのですが」


 セシリアが先に言い、篠ノ之自身も操縦してみて疑問を感じたのだろう、織斑先生へと視線を向けた。


「一応ISの数に限りがある以上、国連や学園上層部の連中は救助活動等では大きなシェアを獲得するだろう――と、思っているようだが。 ……有坂先生はどう見ますか?」


 俺の乗っていたEOSを調べていた母さん、織斑先生の言葉に立ち上がって振り向くと。


「……現状、この機体で災害救助を行うというのは技術者視点から見ても落第点です。 課題点が山程ある欠陥機……勿論、完璧な機種というものを目指すのは難しいのです。 だからこそ試作機を作って、欠陥を見直して製品として量産――何ですけどねぇ。 ……とりあえず、これを設計、製作した人のマスターベーションにしか、私には感じられないわねぇ」


 実際に乗った俺からしても、こんなので災害救助するならば重機購入か救助隊の育成に金を掛ける方が建設的な気がする。

 正直、学園上層部が何故こんなものを今更此方でテストさせるかの意図がわからない。

 身体測定同様、頭にうじでも湧いてるのではと思う。


「………………」


 黙り込んだままの織斑先生に、皆の視線が集中する。


「ん、すまない。 それでは全員、こ
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