暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第519話】
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が、徐々に反動制御に慣れ始める。

 だがラウラの機動はそれを上回り、セシリアの火線をスラローム機動で潜り抜け、接近する。


「速いですわね! ……ですが、この距離ならサブマシンガンの射程内ですわよ!」

「フッ、甘いな……!」


 ラウラはスラローム回避から一直線の特攻に切り替える。

 咄嗟にセシリアも狙いを定めて射撃するも、ペイント弾は左腕に備わった物理シールドで受けきり、間合いを詰める。


「抜けられた……!?」

「ふっ……」


 咄嗟に防御行動を取るセシリアだが、ラウラは慣性を殺さず、セシリアの肩アーマーに掌による掌打の一撃。


「きゃあっ!?」


 バランスを崩したセシリアは、背中から倒れる。

 何とか立ち上がろうとし、背部起立アームを稼働させるも明らかにラウラの方が速く、銃口を向ける――。


「……これで二機!」


 一夏の時とは違い、装甲に向けて放つラウラ――そしてその隙をつく一機の機影。


「隙だらけよ!」


 側面から突撃をする鈴音、ランドローラーの出力を全開にし、突っ込む。

 鈴音のランドローラーの出力全開を見て、俺は凡その速度を何とか目で覚える間、背部起立アームの稼働域を調べた。


「うりゃあ!」


 気合いの入れた正拳突きを放つ――だがラウラはその単調な機動を見切り、攻撃を受け流すように身をひねって回避した。


「あれ?」


 あっさり避けられた鈴音、加速慣性を相殺しようとするも、途中で体勢を崩し、転ぶ。

 怪我は無いようだが立ち上がろうにも転び方が悪かったらしく、アームを稼働させても立ち上がれず、戦闘不能とみなされた。


「これで残りは……」


 ラウラの見つめる先に居たのは、篠ノ之とシャル、そして簪の三人、一方の俺はその後ろという形だった。


「ふっ……誰からだ、私の相手は?」


 自信満々のラウラに、三人は――。


「わ、私は後でいい!」

「ぼ、僕も……」

「わ、わた、しも……」


 三人共に拒否する――って事はつまり俺しかいない訳だ。

 覚悟を決めた俺を他所に、三人は互いに譲り合っていた。


「わ、私より更識、せっかくの機会だし……」

「わ、わたしは……。 しゃ、シャルロット……」

「えぇ!? ぼ、僕!?」


 互いが遠慮しあう三人――ランドローラーを稼働させ、グラウンドを滑走する俺が叫ぶ。


「なら……俺の出番って訳だな、これが!!」


 三人の間を疾走し、駆け抜けていく俺――驚きの表情を見せた三人とラウラ――。

「有坂……!?」

「えっ? ヒルト!?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ