背徳と罪人
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いる。
そして、彼らが見据える先にいるのは、たった今コブラの手によって殺められたブレインと、彼と同じく牢に捉えられていた六魔将軍の面々。
「メルディ、カミューニ、離れていろ」
ジェラールにそう言われ、メルディが彼の方を驚いた顔で見つめる。
「相手は五人もいるよ!?わたs――――」
「いいぜ」
「お兄ちゃん!!」
実力者五人に一人で挑もうとしてるジェラール。メルディは彼の危険な行動を止めようとしたが、カミューニが何食わぬ顔で肯定してしまい、言葉を遮られる。
「ただ、ちょっとだけコブラと話させてくんねぇ?」
「あぁ。お前にもやらなきゃならないことがあるんだろうしな」
カミューニはジェラールとメルディの前に出て、六魔将軍の先頭に立つ竜、コブラと向き合う。
「何のようだ?カミューニ」
「お前なら聞こえてるはずだろ?俺の聞きたいことも」
目を細める両者。コブラはカミューニが何を聞こうとしているのかわかっているが、答えようとしない。それを見てため息をついた後、男は口を開く。
「お前が聴いた情報で、俺に役立つものを教えろ」
「いやだ、と言ったら?」
「俺がお前たちを牢に連れ戻す」
舌打ちをするコブラ。彼は例え五人でもカミューニに勝てるか微妙なことじ分かっていた。おまけに向こうにはジェラールもいる。自由のためには、ここは彼との取引に答えることが一番だとすぐに悟った。
「冥府の門は全員ゼレフ書の悪魔。そんで、創造者の元に帰ろうとしている。これでほしい解答になったかい?」
顎に手を当てその情報と以前、ある男に言われたこととを照らし合わせる。その結果、彼はある結論に至った。
「俺の考え、合ってるか?」
「あぁ。たぶんな」
そう言うと二人は笑みを浮かべる。コブラは交渉が成立したから、そしてカミューニは気になっていたあることの答えにようやくたどり着いたから。
「約束は守れよ」
「もちろん。手出しはしねぇよ」
クルリと踵を返し、ジェラールたちの元へと戻っていくカミューニ。彼は青い髪をしたタトゥーを顔に入れている青年の肩に手を置く。
「俺は行かせてもらう。一人で十分なんだろ?」
「あぁ。もちろんだ」
短く交わした言葉。それなのに、二人は互いの思考を感じ取っていた。カミューニはジェラールの肩から手をどけると、振り返ることなく歩き去ってしまう。
「お!!お兄ちゃん!?」
「メルディ、ジェラールを頼む」
手を上げメルディにそれだけ言うと、その背中はどんどん小さくなっていく。そして、そのまま彼はどこかへといなくなってしまった。
「ジェラール!?どういうこと!?」
意味がわからずアタ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ