背徳と罪人
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う思い、その情報を提供してもらおうと考えた。だが・・・
「それもワシには知る権限がない」
「そんな・・・」
頭を掻きながら申し訳なさそうに答えるクロフォードさん。あまりのことに、エルザさんががっかりと言葉を漏らす。
「フェイスはね、破棄された兵器なんだよ。存在すら公にできない禁断の兵器。ゆえに封印の鍵になる議員も自分が鍵であることを知らない。
究極の隠匿方法によって守られている」
「本人も知らない?」
「それじゃあ守りようがないじゃないですか!!」
クロフォードさんから明かされた真実にミラさんと俺がそう言う。もし自分が鍵だと知っていれば、逃げるなり隠れるなりできただろうけど、それすらできそうにないとは・・・
「では冥府の門は本当に元評議院を皆殺しに・・・!!」
家の周りから気配を感じ、椅子から立ち上がる。
「なんじゃ!?」
「囲まれてますね」
「どうやらお出ましみたいね」
「足音・・・二十人はいる」
とうとう冥府の門がこの場所への襲撃に動き出したらしい。徐々に近づいてくる足音。俺たちはその方角に体を向ける。
「議長!!奥の部屋に!!」
「冥府の門か!?」
どうやら気配と音から推測するに敵は一方向からしか来ていない。なので、クロフォードさんにはできるだけ離れてもらうべく、奥の部屋に隠れてもらう。
「来るぞ!!ミラ!!シリル!!」
「はい!!」
壁を撃ち抜き突進してくる兵たち。こちらに向かってくるそいつらに、まずは俺が先制攻撃を喰らわせる。
「水竜の・・・咆哮!!」
「「「「「どわあああああ!!」」」」」
入ってきて早々に外へと押し返される冥府の使者。エルザさんとミラさんは、彼らが家の前の芝生に落ちたのを見て変身する。
「議長に手出しはさせんぞ」
倒れる兵たちを見下ろしながら緋色の女性がそう言う。一撃喰らったものの、また倒れるほどのダメージは受けていない彼らは、すぐさま立ち上がり俺たちの周囲を囲む。
「ミラとは組むのが初めてだな」
「俺もです」
「見せてあげましょ、妖精の尻尾の力を」
背中を合わせ死角を無くすように体勢を作る。三人の妖精による、冥府たちの殲滅戦が開始された。
第三者side
岩の山に覆われた荒れ地。ここでは、八人の魔導士たちが互いに睨み合っていた。
「借りは返すさ。任せておけ」
誰に言うともなく、そう口を開いたのは現在元議長クロフォードを守るために奮闘しているエルザの幼馴染み、ジェラール。彼の後ろには、同じギルドの紋章を刻んだメルディとカミューニが立って
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