背徳と罪人
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「懐かしいなぁ。あれから七年、君たちは凍結封印されてたんだってね」
顔を赤くしているエルザさん。よく見るとミラさんも赤くなりながら紅茶を飲んでいる。ナツさんは気にしそうにないけど、他の人は恥ずかしいよね、きっと。
「クロフォードさん。早速ですが・・・」
「あぁ。そうだった。フェイスの件だったね」
話が反れてきていたので、気を取り直して本題へと移る。それは先程ナツさんたちが守り抜いたミケロさんから聞いた、評議院が保有する兵器、フェイスについて。
「ワシもかつての同僚たちの悲報に胸が痛むよ。評議院が機能していない今、君たちのような正義感の強いギルドが立ち上がることを大変嬉しく思う」
なんとも堅苦しい言葉を述べるクロフォードさんは、やはり本質は評議院の人なんだなと思う。慣用的に見えるけど、それは評議院をやめて丸くなっただけで、現役の頃はもっと厳しい人だったのかも知れないな。
「事情はさっきお話しした通りです」
「私たちは冥府の門を止めるため、まずはフェイスを破壊しようと思います」
「その保管場所をお教えいただけないでしょうか?」
元議長ならフェイスについて様々な情報を持っているはず。彼も冥府の門の横暴をこれ以上許したくないはず。だから教えてもらえると思っていたのだが、返ってきたのは意外なものだった。
「残念だが、それはワシにもわからん」
「え?」
「なんですって?」
「議長」
予想外の解答にミラさんと俺は変な声を出し、エルザさんは彼が秘匿義務があるゆえに話そうとしていないのだと思い、詰め寄ろうとする。
「これは、秘匿情報ゆえ隠しているわけではないんだ。元議長といえど、そこまで知る権限がなかったのだよ」
ウソを言っているようには見えないし、そんなことをしている状況じゃないのは彼自身がよくわかっているはず。俺とエルザさんとミラさんは互いの顔を見合わせる。
「元議長でも知らない情報を、奴等はどうやって手に入れたのでしょう?」
「確かに・・・謎じゃな」
元議長が知らないなら評議院全員知らないことのはず。それなのに冥府の門が知ってるなんて・・・どうなってるんだ?
(今は考えても仕方ないか)
これ以上悩んでいても結論が出るはずがない。頭を切り替え、次の質問へと話を変える。
「でしたら、フェイスは三人の生体リンクで封印してるんですよね?」
「生体リンクでフェイスを守る、三人の元評議院を教えていただけませんか?」
「私たちが、全力でお守りいたします」
場所がわからないのなら、封印を解かせなければいい。まだ奴等がフェイスを発動させていないところを見ると、生体リンクでフェイスを守っている三人は殺されていないはず。そ
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