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青砥縞花紅彩画
9部分:新清水の場その九
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時とは気紛れなもの」
弁天「されど」
千寿「お願いです、私もお連れ下さい」
弁天「今の拙者の歩む道は暗闇の道、そこに姫をお連れするなどと」
千寿「お願いです。暗闇も怖くはありませぬ故」
弁天「されど」
千寿「全ては覚悟のこと。小太郎様、どうかこの千寿を供にお願いします」
南郷「(ここで思い入れあって)若様」
弁天「どうした」
南郷「追っ手はそれがしが引き受けまする。どうかここは姫様をお連れして」
弁天「よいのか」
南郷「主を御守りするのは家臣の務め、どうかここはお任せ下さい」
弁天「(頷いて)わかった。(そして姫に顔を向ける)姫」
千寿「はい」
弁天「参りましょう」
千寿「わかりました」
侍女「では私も」
千寿「そなたは残って」
侍女「(驚いて)どうしてですか」
千寿「迷惑がかかる故。私も追われる身ならば」
侍女「よろしいのですか?」
千寿「はい。御父様にはよろしくお願いします」
侍女「わかりました。それでは」
千寿「さようなら」
 二人は別れの挨拶をする。それが終わると弁天は千寿の手をとる。
弁天「では参りましょう。それがしの仮住まいへ」
千寿「はい」
 侍女は右手に去る。弁天と千寿は左手に。そして後には南郷只一人が残る。

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