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青砥縞花紅彩画
8部分:新清水の場その八
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からここは任せておけ。さて」(忠信の前に出る)
忠信「(それを見てとりあえずは柄から手を離す。だがよく見ると左手はまだ微かについている)はい」
主膳「こちらにも事情がありましてな。ここは引いて下さらぬか。(そう言いながら懐から何かを取り出す)」
主膳「(そしてそれを忠信の袂へ入れて)悪いようにはしませぬ故」
忠信「(それを見てあえてきっとする)これは何ですかな」
主膳「(とぼけて)はて」
忠信「拙者はその様なものは欲しくはありませぬぞ」
主膳「何、あっても困るものではありますまい」
忠信「そういう意味ではござらん」
主膳「拙者からの心づくしです。やましいことはありませぬぞ」
忠信「(考えるふりをして)ううむ」
主膳「お受け取り頂けますか」
忠信「例え拙者が返したとしてもお受け取りはせぬでしょう」
主膳「もう貴殿のものですからな。拙者は人様から金を貰ったりはしませぬ」
忠信「わかり申した。では少し酒でも楽しみに行くことにしましょう」(そう言ってそこから離れる)
忠信「ではこれで。ご機嫌よう」
 こうして忠信は右手に消えていく。あとには主膳と二人の侍が残される。

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