第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのは 〜戦いの終わりと始まりとプロローグなの〜
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プレシアの居る場所も、例外ではない
なのはやフェイト達のいる位置よりかも遥か奥。
足場が崩れ、虚数空間の領域が広がる。
プレシアは最深部の部屋におり、細く突き出した足場の先に、アリシアの入ったカプセルとともにいた。
「もう来たのね・・・でももう間に合わないわよ・・・・あと、もう少し・・・もう少しで・・・」
ドォンッッ!!
そこまで独白し、そして轟音によって掻き消される。
プレシアの言葉をさえぎるように、そこに蒔風が乗り込んできたのだ。
「よう。プレシア、それにそっちがアリシアか」
「・・・何の用かしら。今とても忙しいの。それに、ここの前にはまだ見張りがいたはずよ」
「あのデグどもか?あんなもんじゃ止められないよ、オレは。止めたきゃ、あと五倍は持ってこい」
「そう・・・」
「なんだ?拍子抜けだな。アルハザードには行けそうなのかい?」
「・・・無理よ。これっぽっちじゃ届かない」
「あらまぁ」
「でも・・私にはあのままアリシアの死を受け入れられなかった」
「・・・・」
「あのまま何もしなきゃ、私はアリシアの死を認めなければならなくなる。そんなことはできなかった!!!私はアリシアをそんな簡単に「殺す」ことはできなかった!!!」
「・・・死は誰にでも訪れるものだ。アルハザードであっても、それは覆らない」
「あなた、アルハザードを知ってるの?知らないでしょう。だからこれから行くのよ!!何としても!!!」
「できないとわかっていても、それに向かって突き進む。その意志は嫌いじゃない。嫌いじゃないが・・・!!!!」
「なに?文句でもあるの?」
「誰かの意志を踏みにじってまで叶えられる願いなんざ、このオレがゆるさねぇ!!!」
「そんなの知ったことではないわ!!そもそも、なんでアリシアなの!?なんでこの子がこんな目にあわなければならなかったの!?世界はこんなにも理不尽なのよ!?だから私は取り戻すのよ!このどこまでも理不尽で、救いのない世界から、私たちの失われた過去を!!!」
そのとき、クロノが額から血を流し一人突入してきた。
痛みに顔をしかめ、それでも堂々とした面持ちで、目の前のそれを救えぬ自分を悔やみながら、確かな現実を叫びあげた。
「世界は、いつだって……こんなはずじゃないことばっかりだよ!! ずっと昔から、いつだって、誰だってそうなんだ!!
苦しそうに叫ぶ。
それは決して、体力だとかそういう問題ではない。
「こんなはずじゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは、個人の自由だ!だけど、自分の勝手な悲しみに、無関係な人間を巻き込んでいい権利は、どこの誰にもありはしない!!」
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