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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのは 〜それは怒りの叫びなの〜
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に働き掛けて抑える。暴れないようにそのまま抑えろ」

「・・・・・(コクン)」

フェイトは頷いた。
こうするしか、今はない。

「歪みはあれど、願いをかなえるジュエルシード・・・だったら・・・・我が翼に共鳴」

蒔風がボソボソと呟く。
フェイトにはよく聞き取れなかった。

「我、銀白の翼・・・・オレの力に同調しろ!!ジュエルシード!!!!」

ゴォォォォォォォ!!!!!


光が一層強くなる。
しかしさっきのような衝撃はなく、むしろ温かいものだった。

その光の中で、ジュエルシードを抑え込みながら二人が話す。



「なぁ、お前のその背中の傷さ」

「!!」

今までフェイトのマントで、背中は隠れていた。
しかし、ジュエルシードの衝撃で、マントははじけ飛んでしまっていたのだ。

「家に帰るとつらい・・・か。その傷は戦闘のではないな。鞭の・・・しかも一方的な傷・・・・」

「関係、ないよ・・・」

「・・・そうだな・・・お前はオレのこと嫌いだもんな。これ以上は聞かんよ」

「うん・・・・」

「だけど・・・はいそうですかと切り捨てるほどオレはくだらない人間でもない」

「え?」

シュバン!!

蒔風が「山」でフェイトを切る。
しかし、そこに傷はできず、逆に背中の傷は消えてしまった。

「癒しの剣だ。気にするな」

「なん・・・で」

「ん?」

「なんで・・・助けるの?」

「うーーん。実を言うと、助ける必要はなかったかもしれないんだ」

「え?」

「オレはこの世界のイレギュラーだ。放っておいてもこの世界は順調に回る。つまり高みの見物しててもいいんだ。「奴」が来たら、戦えばいい。でも介入する。ま、あまり大きなことはしないけどね。なるべく元の形を崩さないようにな。だからお前からも無理にジュエルシードを取り上げもしない」

「(「奴」?よくわからない・・・そういえばこの人、結局どこの何者なんだろう・・・)だったら、本当に助けなくてもいいんじゃないの?」

「でもさ、目の前で嫌なことが起きたらオレは助けるって決めてんのさ。世界がどうとかよりも、な」

「・・・・・」

「だから助けた。簡単に言っちまえば、助けたいから助けたんだ、だな」

「そんな理由で?」

「人の行動原理は、驚くほど簡単なんだぜ?さ、終わるぞ」

「え?う、うん」

「願いの宝石、ジュエルシード、銀白の翼が命じる・・・・封印」


その瞬間、フェイトには

蒔風の背に翼があるように見えた。





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