暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第516話】
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
位というプライドもあるだろうしな」


 そう告げ、仮面を外す男――赤い眼が露になり、眼光鋭く一枚の書類をチェックした。


「……シルバー、念のためだ。 この男も消しておくように」


 一枚の書類にプリントされ映っている男性――恰幅がよく、趣味の悪いスーツを着て葉巻を咥わえていた。


「えぇ、じゃあ早速手配するわね」


 専用の個人端末を使い、自身が受け持つ支部へと連絡をとるシルバー。

 その間も書類に目を通すウィステリア――誰かの気配を察したのか、仮面を被るとドアをノックする音が聞こえてきた。


「ウィステリア様、【スレート】です」

「あぁ、入って構わないぞ」


 書類に目を通しながらそう言うと、ドアが開かれた。

 眼鏡を掛けた若い男――年齢は凡そ二十歳程、室内に入ってきた【スレート】と呼ばれた男は一礼して挨拶した。


「ウィステリア様、報告書です」

「すまないな、スレート」

「いえ……僕は貴方やシルバーに拾われていなければ、いつ命を落としていたか」


 そう言ってシルバーにも一礼するスレートに手を振るシルバー、指示を終えると端末機をしまい――。


「気にしなくて良いのよ、スレート。 【君は彼処で命を落とす】様な子じゃないんだし、ね?」

「ありがとうございます、シルバー」

「フフッ」


 小さく笑みを返すシルバー、ウィステリアは先に受け取った報告書を読み終わり、今度はスレートの持ってきた報告書に目を通す。


「スレート……IS委員会の方はどうなの?」

「ええ、そちらは特に問題はありません。 ……とはいえ、委員会の人間は未だに篠ノ之束博士の行方を探すのに躍起になっていますが」


 指で眼鏡を直すスレート――報告書を読みながら、ウィステリアは答える。


「フフッ……委員会の人間ではあの人を探すのは困難さ、これがな」

「そうなのですか、ウィステリア様」

「ああ。 ……とはいえ、そろそろ亡国機業側が接触する頃だがな」


 目を通すウィステリア、そして――。


「スレート。 【有坂緋琉人】の代表候補生の件はどうだ?」

「そちらは難色を示しています。 頭の硬い役人は、ブリュンヒルデの弟である織斑一夏だけを仮の代表候補生にしようとしています」

「成る程。 ……スレート、委員会に対して圧力を強めるように指示をするんだ」

「わかりました」


 改めて報告書を見るウィステリア。

 そして報告書の一部を抜き出すと、やはり其所には人が映っている書類をスレートに見せる。


「スレート。 この女は下部組織に命じて誘拐させるんだ」

「わかりました。 ……です
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ