第76話
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魔化そうと思っても無駄ですからね?アドルさんの冒険日誌の内容を知っているエステルさんがいるんですからね?」
その時、フィーナとエレナは笑顔でアドルを見つめて言った。
「はい………(もう、勘弁してくれ…………というか未来の僕は一体どれほどの女性達と仲良くなったんだよ………)」
2人に見つめられたアドルは肩を落として溜息を吐いた。その後ケビン達は探索を再開し、ようやく最上階の広間に出た。するとそこにはある人物がいた。
〜バレスタイン城・時計塔・最上階広間〜
「フン、ようやく来たか。遅いぞ、アドル・クリスティン。」
アドル達に気づいたある人物――――エレナの騎士衣装によく似た衣装を着た青年は鼻を鳴らしてアドルたちを見つめて言った。
「えっ……!そ、そんなっ……!」
青年を見たエレナは信じられない表情をし
「へっ………?エレナさんの知り合いなんか?」
エレナの様子に気づいたケビンは首を傾げてエレナに視線を向け
「……数年前に他界した私の兄です。………無限の再生力を持つ強大な魔物から私や故郷を守る為に、その身を犠牲にして魔物を討ったのです………」
視線を向けられたエレナは辛そうな表情で答えた。
「!!………そか………辛いことを聞いてしまってすまんな…………」
「……………」
エレナの答えを聞いて驚いたケビンは申し訳なさそうな表情でエレナを見つめ、アガットはある意味自分と似ているエレナを複雑そうな表情で見つめた。
「……やはり君もいたか、チェスター。バレスタイン城と縁が深い君ならいつか出会うとは思っていたよ………」
アドルは静かな表情で青年――――今は亡きエレナの兄、チェスター・ストダートを見つめて言った。
「兄さん!」
そしてエレナはチェスターに向かって走ったが
「キャッ!?」
「エレナさん、大丈夫ですか!?」
見えない壁に阻まれると同時に吹っ飛ばされ、吹っ飛ばされたエレナにフィーナが駆け寄って治癒魔術をかけた。
「………これはどういうことだ、チェスター?」
一方アドルは真剣な表情でチェスターを睨んで静かに尋ねた。
「……”俺”が望んだ事だ。――――アドル。お前と復讐に囚われず、ジェノスの末裔の一戦士としての俺の戦いを誰にも邪魔をさせない為のな。」
アドルに尋ねられたチェスターは静かな表情で答えた後
「…………」
両手にそれぞれ剣を持ち、2刀流の構えをし
「――――アドル。復讐の為に罪のない人々を巻き込んだ俺には資格がないが………それを曲げて頼む。一人の戦士としてお前に挑ませてくれ。」
静かな表情でアドルを見つめて言った。
「………………わかった。」
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