第72話
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よ。」
「本当にいいのですか?」
「?ああ、勿論だよ。」
念を押して尋ねて来たエレナにアドルは首を傾げた後、頷いた。
「わかりました。―――――好きです。」
アドルの返事を聞いたエレナは息を吸い込んだ後、なんと信じられない事を口にした!
「まあ…………」
「え…………………エ、エレナ!?一体どういう意味で………!?」
エレナの言葉を聞いたフィーナは驚きの表情でエレナを見つめ、アドルは一瞬呆けた後、我に返って慌てながら尋ねた。
「勿論、男性としてですよ。私にとってアドルさんは初恋の人でそれは今も変わりません。フフ………やっと伝えられました。」
「………………………………」
頬を赤く染め、微笑みを浮かべているエレナの言葉を聞いたアドルは石化したかのように固まって黙っていたが
「フフ………さすがですね、アドルさん。”やっぱり”旅先の女性に慕われていたんですね。」
「フィ、フィーナ!?ぼ、僕はそういうつもりじゃ………!」
笑顔だがどこか威圧感があるフィーナに気付き、我に返って慌て、言い訳をしたが
「今は黙ってく・だ・さ・い!私はエレナさんと大切な話がありますので。」
「はい……………」
威圧感がある笑顔のフィーナの言葉を聞き、肩を落として黙り込んだ。
「………すみません、フィーナさん。貴方とアドルさんの関係を知っていて、こんな図々しい事を……」
「フフ、気にしないで下さい。アドルさんがそういう男性なのはわかっていましたから。それに私は元の世界に戻ればもう、アドルさんに会えませんし………もしよかったら、貴女がアドルさんを支えてあげて下さい。」
「え………いいのですか?」
フィーナの意外な提案を聞いたエレナは驚きの表情でフィーナを見つめた。
「はい。貴女ならアドルさんと一緒に冒険しても大丈夫そうですし………」
「なっ!?フィーナ、何を!?」
フィーナの言葉を聞いたアドルは声を上げたが
「私、まだアドルさんに口を開いていいって言ってませんよね?」
「う゛………!ご、ごめん………」
再び威圧感がある笑顔のフィーナに見つめられ、黙り込んだ。
「さっきの話の続きになりますが、これ以上アドルさんを慕う女性を阻止して欲しいのです。アドルさんみたいな男性、野放しにしていたら今後出会う女性達が可哀想でしょう?」
「………そうですね。アドルさん、私の心を奪っていつかフェルガナに来てくださいって言ったのに、全然フェルガナに来てくれませんもの。そんな女性の敵は私達がしっかりと管理しないと駄目ですものね!………でも、その代り元の世界に戻ったら私がアドルさんを独占させてもらいますね?」
「ええ。………
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