機動戦艦ナデシコ
1348話
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なるだろ」
木星蜥蜴と戦って撃破された……撃破、か? とにかくその駆逐艦は何らかの情報があったりしてもおかしくはない。
それに連合軍という立場としては、その駆逐艦に乗っていたクルーの消息も探す必要があるだろう。
……もしかして、火星の生き残りの中にあの駆逐艦の生き残りもいた可能性があるのか?
だとすれば、その辺の事情を聞いてみた方がいいのかもしれないな。
「中に生き残りはいないんだよな? 駆逐艦だから、ある程度の保存食とかそういうのはあるだろうし、もしかしたら生き残りがいてもおかしくないけど」
『残念ながら軽く内部を調べた限りでは、誰の姿もないな。ただ、アクセルの場合は空間倉庫を使って調べる事が出来るだろう? それを使って、あの駆逐艦の中に生き残りがいるのかどうかを確認してくれ』
「分かった、すぐそっちに行く。座標を教えてくれ」
こうして俺はコーネリアから連合軍の駆逐艦がある位置の座標を聞き、影のゲートへと身を沈めていくのだった。
「これが、か」
目の前に広がっているのは、一面の荒野。
火星の中でもかなり寒い場所らしく、体感気温としては氷点下といったところか。
その寒風吹き荒れる荒野の中に、ポツンと駆逐艦が1隻だけ存在していた。
ちなみに、俺に通信を送ってきたコーネリアは既にこの場にはいない。
近くに木星蜥蜴のチューリップがあるとかで、そっちを攻撃しに行った。
というか、正確にはそのチューリップに攻撃をしに行く途中でここに連合軍の駆逐艦が存在しているのを見つけて俺に連絡してきた訳だ。
「……随分と古いように見えるけど、確かに連合軍の駆逐艦だな」
長い間ここで寒風に晒されていたのだろう。艦体のいたる所に氷柱が生えており、雪が積もっている場所もあり、それが氷となって張り付いている場所もある。
「中に誰かいたとしても、もう死んでるのは間違いないだろうな」
こうして見る限り、この駆逐艦の動力炉は完全に死んでいるように思えた。
つまり、もしこの駆逐艦の中に生き残りがいるとすれば、この極寒の中で生き残っていた事になる。
勿論、そのまま外にいるよりは駆逐艦の中にいた方が凍死は免れるだろうが……普通に考えれば、ここを脱出して他の場所に行くよな。
駆逐艦の装甲へと手を触れてみるが、そこにあるのは当然暖かさはなく、冷たい感触だけだ。
「さて、もし誰かが生きていれば収納は出来ないんだろうが……どうなるだろうな」
呟き、空間倉庫へと収納を試み……次の瞬間、俺の目の前に存在した駆逐艦は、まるで今まで火星の大地に横たわっていたのが幻か何かだったかのように、その姿を消していた。
「収納完了。となると、やっぱり駆逐艦の中に生存者はなし、か。ま、
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