第六章
[8]前話
「絶対にそうなるわ」
「何かね」
「あんた相当なことしたのね」
「そうじゃないとよ」
「ジル君もあそこまではね」
「あんたに夢中にならないわよね」
「これまで以上に」
友人達も言うのだった。
「一体何をやったのよ」
「まさかキス?」
「そしてそこから先も?」
「ひょっとして」
「キスとかはまだよ」
マリーは友人達に悪戯っぽく笑って答えた。
「これからはわからないけれど」
「けれどなの」
「それでも彼を捕まえたの」
「それも完全に」
「そう、まあジルに声をかけて来る娘がこれからいてもね」
それでもというのだ。
「彼の心は私のものよ」
「虜ってことね、あんたに」
「そうなってるのね」
「そうよ、これからもね」
まさにというのだ。
「私にね」
「ううん、何かね」
「あんた色々したみたいね」
「彼の心を掴む為に」
「そうしたのね」
「そうよ、いつも油断させずに仕掛ける」
これこそがというのだ。
「大事ってことよ」
「恋愛には」
「そうなのね」
「そういうことよ、油断させない」
まさにというのだ。
「それが大事ってことよ、私もわかったわ」
「そうなのね」
「それじゃあね」
「私達もそうしてみようかしら」
「これから」
「そうしたらいいわ、恋愛の秘訣はね」
それはというと。
「相手を退屈させない、油断させない」
「そういうことね」
「それが相手に気移りさせないコツってことね」
「魅力は引き出して何でも常に使うことよ」
最後にこう言ったマリーだった、そしてそれからも常にジルに仕掛けてだった。彼の心を完全に掴み続けるのだった。浮気一つさせないまま。
油断はさせない 完
2015・11・17
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