第四章
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彼にだ、あらためて言った。
「一緒に食べましょう」
「うん、それじゃあね」
ジルはマリーの表情や言葉にどきりとしながらも何とかそれを隠してだった。そのうえで二人でだった。その和風のお菓子にお茶を口にした。
クレープを食べてだ、ジルは言った。
「あっ、美味しいね」
「ええ、かなりね」
「中が豪勢だし」
「それによね」
「バナナもチョコもね」
「クリームもね」
「全部美味しいね、クレープの生地もね」
それもと言うのだった。
「甘いね」
「フランスのものよりもね」
「甘いけれど」
「それでいて食べやすくて」
「いい感じだね」
「トッピングもね」
それもと話す、そしてだった。
ここでだ、マリーは。
あえて屈んで胸をテーブルに押し付ける様にして彼に谷間を見せた、ジルは思わずそれを見たが一瞬だった。
マリーはすぐに元の姿勢に戻って彼に今度は無邪気な笑顔を見せた。
「一緒に食べていきましょう」
「一緒にだね」
「ええ、まずはクレープをね」
「それじゃあね」
二人はクレープの後でだった、アイスも食べた。ジルはその抹茶のアイスについてもこうしたことを言った。
「不思議な味だね」
「何かバニラやチョコと比べて」
「甘いけれどそれでいて」
「変わったね」
「美味しさがあるね」
「お茶の味みたいだね」
「そうね、お抹茶のね」
マリーはジルの言葉に頷いた、そして。
口から舌だけ出してだ、ジルの目の前で。
アイスを先から舐めた、左手で長い髪を掻き分けてから。
目を閉じてそうする、それは一瞬のことだったが。
ジルはその彼女の仕草を見て唖然となった、しかし。
マリーはすぐにその仕草を止めてだ、ジルに尋ねた。
「何かね」
「何かって?」
「この美味しさ病みつきになるわね」
「美味しいから」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「また食べたくなったわね」
「そうだね、この味はね」
「凄く素敵よ」
「そうだね、素敵な味だね」
「アイスもね」
それもと言ってだ、アイスも食べた後で。
最後にグリーンティーも飲んだ、アイスにも使っている抹茶であるが。
砂糖を入れて甘くしているそれを飲んでからだ、マリーはここでは天真爛漫な少女の顔でこう言った。左手を頬に当てたうえで。
「最高よ」
「そ、そうだね」
その笑顔にだ、ジルは思わずだ。
見とれたがだ、何とか己を保って答えた。
「このお茶も美味しいね」
「そうよね」
「いや、本当にね」
「お茶まで美味しいなんてね」
「最高だよね」
「このお店また来たいわ、これもね」
マリーはこうも言った。
「ジルのお陰よ」
「俺の?」
「だってジルが連れて来てくれたから」
自分が言ったとは言わ
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