第四章
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「ひょっとしてね」
「そうかもですね」
ラハルもすぐに答えた。
「ひょっとしてですが」
「その西の方の」
「日本の」
「そうなのかな、やっぱり」
「みたいですね、じゃあお話してみます?」
「英語通じるかな」
「そのことを確かめてから」
まずは二人で話してだ、そしてだった。
ジェームスは英語で、その二人に尋ねた。
「お国はどちらで。英語喋れますか?」
「あっ、はい」
「簡単にですが」
二人はすぐにだ、ジェームスに答えた。
「一応は」
「たどたどしいですが」
こうジェームスに言うのだった。
「それでもいいですか?」
「下手な英語でも」
「あっ、はい」
それでもとだ、ジェームスも応えてだった。ラハルも交えて四人で話した。アジア系の二人はやはり日本人でカップルだった。二人で婚前旅行でインドネシアのこの村に来たのだ。
そしてだ、二人でこうジェームス達に話した。
「実は私達和歌山からです」
「ここに来たんですけれど」
「いや、虎の土産ものが多くて」
「ついつい買ったんです」
「実は二人共阪神ファンで」
「虎大好きなんですよ」
「やっぱりそうですか」
ラハルは二人の話を聞いて頷いた。
「まさかと思ってたんですが」
「あっ、私達以外にもですか」
「虎好きの日本人ここに来てたんですか」
「何度か見ました」
実際にとだ、ラハルは二人に答えた。
「この村でも」
「虎が好きな日本人を」
「そうなんですね」
「虎はです」
非常にと言うのだった。
「日本の西の方の人にかなり人気がありますよね」
「そうですね、特に関西」
「そっちで」
「野球が関係あるとか」
ジェームスも二人に問うた。
「そう聞きましたが」
「ああ、阪神」
「あのチームですね」
日本人のカップルも彼のその言葉に応えて言う、彼等の席から。
「私達もそうですけれど」
「阪神ファンの人多いですからね」
「しかも熱狂的なファンが」
「私達以上に」
「阪神というチームは虎ですか」
ジェームスは二人にさらに問うた。
「そう聞きましたが」
「はい、虎です」
「阪神タイガースです」
「それで、ですか日本の西からここに来た人は」
考える顔になってだ、ジェームスは呟く様にして言った。
「虎が好きなんですね」
「愛着あります」
「もう虎が一番好きな生きものです」
二人もジェームスにはっきりと答えた。
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