第2話 アガサの若騎士
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倒的な差は、気概だけで埋まる様なものではなかった。
しかし???
「勝てる」
その声に、ネルソン達は一斉に振り向いた。
ルーカスだった。
「ルーカス、お前は何を言ってるんだ!?」
ネルソンは怒鳴った。
「敵がここまでの数を有しているとは、俺でさえ知らなかったんだ!行った所で、痛手を負って帰るのがおちだ!」
「だからこそ、勝つしかない」
ルーカスは冷静に答えた。
「少ない戦力で相手を負かすからこそ、相手は余計に痛手を負うんじゃあないのか。…みんな、それを分かっている筈だ」
ネルソンは、唖然としていた。
しかし、冷静に構えるルーカスとパトリックを見て、直ぐに納得した様に頷いた。
「…そうだな」
ネルソンは、頭の上でバルディッシュを器用に回し、テノジア軍の陣に斧頭を向けた。
「目標、テノジア軍の陣の制圧!奴らを一人として生かすな!」
???????????????????
「????全く、何だって王サマはこんな国、直ぐに潰そうとしないのかね」
陣の見張りをしていたテノジアの兵士は、そろそろ1週する所までに差し掛かっていた。
溜め息混じりに、横を歩くもう1人の兵士に問うた。
「"アガサの若騎士"とか言うのがいるから、って聞いた事あるぜ。何でも、奪われた城やら砦やら、直ぐに奪い返しちまうんだと」
「何だ、そりゃ?胡散くせぇ????」
テノジアの兵士は、最後まで喋り切る事は出来なかった。
彼らが気付いた頃には、既に敵は陣中に切り込み、拒馬を飛び越えていったのだった????。
「突き進めーッ!攻撃の機会を与えるなーッ!」
ネルソンを先頭に、陣中を突撃していくアガサ兵達は、テノジアの兵士達を蹂躙していった。
馬で踏み躙り、剣で斬り伏せ、槍で突き?????
アガサ兵達は、瞬く間に屍の山を築き上げた。
「おおおおおッ!」
敗走していくテノジア兵の背後に肉薄し、ルーカスは半分身を乗り出しながら、馬の勢いに乗せて首に向かって剣を振るった。
簡素な装備に身を包んだテノジア兵の首は、斬撃の餌食となり、宙を舞った。
ルーカスの兜に、鮮血が飛び散った。
剣先を高く掲げながら、ルーカスは吼えた。
いつの間にか誰よりも先頭で戦っていたルーカスの姿は、さながらかつての王?????アルゴン王を彷彿とさせる姿だった。
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