第一章
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白い兎が出て来てだ、前足に懐中時計を持ちながらそのうえで走りながら言っていた。
「遅刻だ遅刻だ」
「姉さんあの兎」
キャロルはその兎を見つつ姉に言った。
「まさかと思うけれど」
「うち映画の撮影受けてないでしょ」
これがメアリーの返事だった。
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