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青砥縞花紅彩画
27部分:浜松屋奥座敷の場その四
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る」
弁天「しかし頭、ここで捕まるわけにはいかねえぞ」
日本「わかっておる。それでは者共引き揚げるぞ」
四人「おう」
 そして五人は左手へ去ろうとする。駄右衛門は振り返る。
日本「後日香合はお渡し致します故。御安心を」
幸兵「ではその時に小袖を。楽しみにしておいて下さいませ」
日本「うむ、期待しておるぞ。では(四人に向き直る)」
四人「へい、わかっていやす」
忠信「我等五人、盃を交わした中ならば」
南郷「死ぬ時も場所も共にあらん」
赤星「白浪の尽きる時が来ようとも」
弁天「絆は永遠に消えはせぬ」
日本「そうじゃ。ならばここは去ろうぞ」
四人「へい」
弁天「親父、さらばだ」
日本「倅よ、元気でな」
 こうして五人は左手に消えていく。遠くから捕り手の声や太鼓の音。その中で悲しい顔でたたずむ幸兵衛と宗之助の親子。ここで幕が下りる。

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