第二章
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子供達を騙してお家の中に飛び込んで子供達を次々と丸呑みにしてしまいました、一匹だけ見付けられませんでしたが。
お腹一杯になったので満足して帰りました、ですがお家を出たところで。
急にです、お腹が急に痛くなったのです。
「な、何だ?急にお腹が痛くなったぞ」
「やい、ここから出せ」
「早く出すんだ」
狼のお腹の中にいる子山羊達が暴れているのです。
蹄で狼の胃の壁を蹴って角で突いてです、皆で大暴れです。
これには狼もたまりません、お腹の中の子山羊達に言いました。
「大人しくしろ」
「誰がそうするものか」
「早く出せ」
「こんなところに入れるな」
「出せば大人しくしてやる」
「わかったら出せ」
「早く出すんだ」
こう言って暴れるからどうしようもありません、それで。
狼は遂にです、前足を自分のお口の中にやって。
喉の奥を刺激してでした、六匹の子山羊達を全部吐き出してしまいました。そのうえで泣きながら言ったのでした。
「ほら、出したぞ」
「見たか、食べられてもだ」
「僕達は生きているんだからな」
「こうして暴れてやるぞ」
「また食べられてもこうしてやるからな」
「何て奴等だ」
お腹はまだ痛みます、狼はその痛みを我慢しながら言いました。
「もう二度とだ」
「僕達を食べないな」
「そう言うんだな」
「約束する、御前等なんか二度と食うか」
たまりかねた口調での言葉でした。
「本当にな」
「よし、約束だぞ」
「今度食べてもこうしてやるからな」
「覚えていろよ」
子山羊達は強い言葉で言います、こうしてでした。
狼を退散させて七匹全員でお母さんとお父さんを待ちました。
そしてお母さんにもお話してお父さんにもでした。
全てお話してです、お父さんもお母さんもびっくりして言いました。
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