暁 〜小説投稿サイト〜
青砥縞花紅彩画
22部分:雪の下浜松屋の場その七
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
のにな」
幸兵「お主達もそうして憎まれ口を」
弁天「憎まれ口を言うのが盗人の仕事なんでね」
幸兵「それわかった。だからここは早く立ち去るがいい」
弁天「嫌だね」
幸兵「何故じゃ」
弁天「俺達は盗人だぜ。そう簡単に帰ると思うてか」
南郷「ましてやこいつの額の傷のこともある。手ぶらで帰るわけにゃいかねえよ」
幸兵「それならこれで帰ってくれ」
 迷惑そうに十両を差し出す。だが二人はそれを受け取らない。
幸兵「むっ」
弁天「おいおい、この弁天小僧様にたった十両だぁ!?冗談はよしてくれ」
南郷「さっきも言ったが俺達は千人の中の頭分だぜ。それが十両で済むと思っているのかよ」
幸兵「ではどれ程ならよいのじゃ」
弁天「そうじゃのう(悪賢く笑いながら)」
南郷「まあいざという時の金蔓ではあるがな」
与九「ふざけたことを言うな」
幸兵「(そんな与九を抑えて)まあ待て」
与九「はい」
幸兵「ではどれだけやればこの場を収めてくれるのか」
弁天「そうだなあ」
南郷「さっきの百両でそうだ」
幸兵「(苦虫を噛み潰した顔で)わかった。持って行け」
 そして百両を差し出す。二人はそれをすっと懐の中に入れる。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ