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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第10話
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尋ねたが

「(………プレ公演の際、念の為に市長の護衛に関して何らかの対策をたてておいた方がよさそうだな………)……ちょっとね。それよりそろそろビルに入ろう。総裁に面会できないか受付で問い合わせてみないとな。」

「お、おう……」

「ええ、行きましょう。」

ロイドは答えず、話を誤魔化し、誤魔化されたランディは不思議そうな表情をし、ロイドの言葉にエリィは頷いた。



その後ビルに入ったロイド達はエリィに受付との応対を任せた。するとエリィは、クロスベル銀行の総裁との面会を取り付け、エレベーターを動かすセキュリティーカードを貰った後、セキュリティーカードを使って、最上階まで上がり、総裁がいる部屋にノックをして入室の許可をもらった後入った。



〜最上階・総裁室〜



「やあエリィ、久しぶりだ。半年ぶりくらいになるかな?」

部屋に入って来たロイド達を見たスーツ姿の男性はエリィに視線を向けて尋ねた。

「はい、ディーターおじさまもお元気そうで何よりです。その、アポイントもなしにお邪魔して申し訳ありません。」

「ハハ、水臭い事は言わないでくれたまえ。君は友人の娘でわが娘の幼馴染でもある。身内も当然じゃないか。」

「……ありがとうございます。」

「ふむ………警察に入ったというのは娘から聞いていたが………そちらの彼らが同僚かね?」

「はい。同じ”特務支援課”の仲間です。」

男性に尋ねられたエリィは頷いた後、数歩横にそれて、ロイド達がディーターによく見えるようにした。



「初めまして。ロイド・バニングスといいます。」

「ランディ・オルランド。よろしくッス。」

「ティオ・プラトーです。初めまして………」

「レン・ブライトと申します。以後お見知りおきを。」

「ふふ、クロスベルタイムズで君達の事は一応知っているよ。IBCの総裁を務めるディーター・クロイスだ。ロイド君、ランディ君、ティオ君、レン君。どうか私のことは遠慮なく、ディーターと呼んでくれたまえ。」

ロイド達がそれぞれ自己紹介をすると男性――――IBC総裁のディーター総裁も自己紹介をした後笑顔を浮かべてロイド達を見つめた。



「は、はあ………」

(今、歯が光ったような………)

(な、なんかムチャクチャ爽やかそうなオッサンだな。)

(うふふ、ダドリーオジサンみたいな真面目で堅苦しいオジサンよりは断然いいじゃない。)

ディーターの笑顔を見たロイドは戸惑い、ティオは不思議そうな表情をし、苦笑しているランディにレンは笑顔を浮かべて指摘した。

「しかし、何やら警察の仕事で相談したい事があるそうだが………一体、どうしたのかね?」

「はい、実は………私達
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