第10話
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るアーネストをエリィは見つめた。
「ただ、そうだな………来月の創立記念祭の時には式典にぜひ出席してほしい。本来なら、君のお母様に出ていただきたかったんだが………さすがに、市長のご家族が一人も出席しないのは寂しいからね。」
「………わかりました。アーネストさん。色々とありがとうございます。」
「はは、いちおう君の先生だったこともあるしね。これくらいは気にかけさせてくれたまえ。……おっと、こんな場所で時間を取らせてしまったな。君達もお仕事、頑張ってくれ。それと……エリィお嬢さんを頼んだよ。」
「………はい。」
ロイド達を見つめて言ったアーネストはロイドの返事を聞いた後、去って行った。
「…………………………」
「随分、エリィのことを考えてくれている人みたいだな。先生をしてたとか言ってたけど……」
アーネストが去った後黙っているエリィにロイドは尋ねた。
「ええ………私が小さい頃に家庭教師をしてくれていたの。留学してからはちょっと疎遠になってしまっていたけど。」
「……やっぱり政治家志望なんですか?」
「ええ、来年の議員選挙では新人として出馬するみたいね。帝国派と共和国派のどちらにも属さないつもりらしいからとても苦労すると思うけれど………」
「政治家の卵ってわけか。しかし、政治家の秘書にしちゃ結構いいガタイしてたよな。なんか武術でもやってんのか?」
「たしか剣術の経験があるはずよ。結構な腕前みたいだからおじいさまの護衛も兼ねてるって聞いたことがあるけど……」
「なるほど……体格がいいのも納得だな。」
「うふふ、どこかの元秘書さんとは天と地の差ね。」
ランディの質問に答えたエリィの話を聞いたロイドは頷き、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。するとその時
「おやおや〜?うふふん、また会ったわね。」
”クロスベルタイムズ”の記者――――グレイス・リンがIBCのビルから出てきて、ロイド達に近づいてきた。
「グレイスさん……」
「なに、IBCに用事?一緒に来てるってことは捜査にでも来たのかしらん?」
「い、いや別に………大したことじゃないですよ。」
「ええ、ちょっとした問い合わせに来ただけです。」
グレイスに尋ねられたロイドとエリィはそれぞれ話を誤魔化そうとした。
「ふーん………ま、そっか。あたしも忙しいからこの場は見逃してあげる。それじゃあ、まったね〜!」
ロイド達の話を聞いたグレイスは頷いた後、去って行った。
「やれやれ、相変わらずマイペースな姉さんだな。」
「でも、グレイスさんにしては喰い付きが悪かったですね………そんなに忙しいんでしょうか?」
「まあ、記念祭の前ともなると取材する
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