妖精vs.冥府
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髪の女性の元へとかけていく。絶対ラクサスさんたちの仇は取る。これ以上奴等の好きにさせてたまるものか!!
ウェンディside
「シリル!!急ぐぞ!!」
「はい!!」
手を振りながらエルザさんの方へとかけていくシリル。フワフワと揺れる髪や後ろから見る小さな体躯は、まさしく女の子そのものだけど、私の大切な男の子。頼りない時もあるけど、いつでも私を支えてくれて、ピンチの時に助けてくれる王子様。珍しい治癒魔法を使うもの同士だから、一緒にいることも離れることもあるけど、それでもいつも近くにいるように思っている。なのに・・・
「なんだろう、この感じ・・・」
胸に手を当てそう呟く。別行動を取る時でも、こんな風な・・・不安な気持ちになることなんかほとんどない。大魔闘演武の最終日の時は、駄々をこねすぎててちょっと不安にもなったけど、その時とは何か違う・・・感じたことがないような想いが胸の奥につっかえている。
「どうした?ウェンディ」
「早く行きましょ、冥府の門よりも先に元評議院のところに行かなくちゃ!!」
私がシリルがいなくなった方を見て立ち尽くしていると、同じチームになったナツさんとルーシィさんに声をかけられました。
(気のせい・・・だよね?)
まだ不安が消えたわけではありません。だけど、今は気にしていても仕方ない。シリルならきっと大丈夫。私はそう信じています。
「はい!!今いきます!!」
顔をパンッと叩いて気合いを入れ直し、ナツさんたちの元へと走ります。
嫌な感じはしますけど、シリルはきっと大丈夫!!私はそう信じてるから!!
第三者side
一抹の不安を感じながら、ナツとルーシィと共にロキが教えてくれた元評議院の住所へと向かったウェンディ。そして、彼女に余裕綽々の様子でエルザとミラと元評議院議長、クロフォードの元へと向かったシリルは・・・
「うぷっ・・・」
乗り物酔いに襲われていた。
「シリル、大丈夫?」
妖精の尻尾の所有している一頭の鹿。それに跨がり最重要人物の元へと急ぐ三人の魔導士。その中で真ん中に座り、前の鎧の女性にグッタリとしがみついている水竜を見て、ミラが心配そうに声をかける。少年はカクカクと首を縦に振るが、とてもそうは見えない。
「シリル、分かれ道だ。どっちにいけばいい?」
しかし、エルザは彼のその様子に構っている時間がないのは重々わかっていた。心配してやりたいところだが、ここは心を鬼にして、シリルにクロフォードの元へと案内させる。
「み・・・ぎ・・・です・・
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