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青砥縞花紅彩画
16部分:雪の下浜松屋の場その一
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を聞いて明るい顔になる)本当かい、それは」
赤星「はい、先程仕立て屋が来まして。夕方に持って来るとのことです」
与九「おお、そうであったか」
赤星「はい」
与九「ならいいんだよ。よく教えてくれた(ここで駄右衛門と忠信に顔を向ける。二人と赤星は目で何やら話をしているがそれには気付かない)」
与九「お侍様、こうしたことですので。夕方までお待ち下さい」
忠信「そうじゃのう。(駄右衛門に顔を向けて)如何なされますか」
日本「わしは構わぬが」
忠信「左様ですか。ではついでに執権様へのお進物も見ると致しますか」
日本「そうじゃな。そうするか」
忠信「ではそうなさいましょう。(与九に顔を向けて)おい」
与九「はい」
忠信「この通りじゃ。繻珍や緞子、織物が見たいのじゃが」
与九「わかりました。(赤星に顔を、向けて)佐兵衛どん」
赤星「はい」
与九「悪いが繻珍や緞子、織物を持って来てくれ」
赤星「わかりました」
与九「あと旦那様も御呼びしてくれ」
赤星「旦那様もでございますか」
与九「そうじゃ、こちらのお侍様は執権様へのお進物をご所望じゃ。失礼があってはならんからな」
赤星「(頷いて)わかりました。それでは」
与九「うん、頼んだよ」
赤星「はい」
 こうして赤星は左手に消える。駄右衛門と忠信は与九の側に来る。
日本「繁盛しておるようじゃな」
忠信「(店の中を見回して)確かに。よいものばかり揃っておるわ」
与九「(それを受けて嬉しそうに)おかげさまで。これも皆様もお引き立てのおかげでございます」
忠信「これで小袖が出来上がるのがむ少し早ければのう。言うことなしなんじゃが」
与九「あいや、これは意地のお悪い」
忠信「ははは」
 主人の幸兵衛が左手から現れる。その後ろには赤星が色々持って来て現われる。

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