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第二十三話 要塞を建設します。
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タダ物ではないことはすぐにわかった。
さらに、ワーレンの同期ではオスカー・フォン・ロイエンタール少佐とフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト少佐という傑物がいるらしい。一度会ってみたいが、残念ながら二人ともイゼルローン要塞には今いないそうなのだ。
焦っても仕方ない。徐々に知己を増やしていけばいいのだ。
それにしても、自由惑星同盟が要塞を建設するというニュースには驚いた。イゼルローン要塞の真似事と笑い飛ばすわけにはいかないだろう。あれがイゼルローン回廊に据え付けられれば、そこを橋頭堡として奴らは大規模な攻勢を仕掛けてくるかもしれない。
それだけならまだいいが、要塞を要塞にぶつけられてしまえば、いや、要塞でなくてもいい。単なる小さな小惑星でもいいが、それらをぶつけられたら、こちらは一巻の終わりだ。いや、それならばまだ対応策はあるが、最も俺が恐れていることは、あの要塞をフェザーン回廊に進出させられる事態になることだ。そうなればイゼルローン回廊とは違い、要塞をフェザーン回廊に置いていないこちらはひとたまりもないだろう。
そういう先のことを上層部は理解しているのか?いや、していないな・・・。
――自由惑星同盟――。
第五次イゼルローン要塞攻防戦は、自由惑星同盟にとっては、要塞に肉薄したという自己満足だけをもって凱旋するという結果になってしまった。
とはいえ、ごく一部の人間にとっては、満足すべき結果になったのは事実である。
なぜなら、最高評議会のメンバーや財界の有力者たちが、間近でイゼルローン要塞のトールハンマーの威力を見てしまったことで、要塞建設への動きに加速がかかった上、さらにイゼルローン要塞は難攻不落であり、そこに大艦隊をもってしても攻め入れないことが明らかなことが認識として広まったのだから。
第五次イゼルローン要塞攻略作戦直前では、同盟は帝国に対しての攻勢を是としていたが、今回の事で「帝国に倍する戦力を持つまでは徹底して守勢に回り、国力増強をする」という方針に変わりつつあった。
そのさなか、世間では新聞記事の一つに取り上げられただけなのだが、珍事が起こった。
ムーア准将の変死である。死因は入浴中の、急性の心臓発作で有った。
同盟首都 ハイネセン 統合作戦本部
■ シャロン・イーリス大佐
先のイゼルローン要塞攻防戦終了後に私は大佐に昇進した。順調な出世だわ。そこでいよいよ自由惑星同盟の改革に着手しようと思う。軍の尉官時代から、私は若手有力議員たちとつながりを持っていた。この現世での私の父親が元国防委員長で、有力議員のバックアップの一翼を担っていたから、接触は簡単だったわ。
私の改革論は以下のとおり。
一点目として、要塞建設と並行して艦隊の増設を図る。せめて18個艦隊
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