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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八十九話 イゼルローン要塞陥落後
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ないとシトレが考えた、そんなところだろう。
俺は直ぐにリヒテンラーデ侯に面会を求め、至急内密に会いたい事、その場にはエーレンベルク、シュタインホフ元帥も呼んで欲しいと伝えた。侯は何も言わずに承諾してくれた。普段食えない爺さんだがこういうときは頼りになる。
それより問題は同盟が動員した兵力が三個半艦隊、帝国は二個艦隊壊滅、この事実だ。三個半艦隊……、半個艦隊はヤン・ウェンリー、第十三艦隊だな。だが三個艦隊、これはどういうことだ?
原作のヤンはイゼルローン要塞を落とす事で和平、あるいは休戦状態を願った。今回は違うのか? イゼルローン要塞の攻略、それだけなら半個艦隊で十分だ。それなのに三個艦隊を余計に出している。結果から見ればラインハルトを倒そうとしたように見える……。
和平だけでなく、帝国と同盟の戦力の均衡化を図った、そういうことか? しかし、よくわからん。第一、宇宙艦隊司令長官を倒して和平なんて結べると考えたのか? 帝国は意地でも和平は拒否するだろう。戦争は続くはずだ。
ヤンが気付かないとは思えない。和平より戦力の均衡化を願った、そういうことか? ヤンらしくない。それに余りにもリスクが高すぎる。三個艦隊の動員が帝国に知られたら全てがお終いだ。
同盟からイゼルローン要塞と帝国からイゼルローン要塞では、同盟からの方が距離がある。つまりラインハルトよりもヤン達の方が先にハイネセンを出る事になる。その事が帝国に伝わるとは考えなかったのか? 伝われば当然こちらも大動員しただろう。それではイゼルローン要塞は落ちない。
フェザーンが同盟よりの政策を取りつつある事は分っている。同盟の情報が帝国に入ってこない。しかしそこまで信じられるものなのか? フェザーンと同盟政府の上層部で密かに密約がある? 有り得ない。
ルビンスキーが同盟の政治家を利用する事はあるだろう。しかし、信頼をしているとは思えない。そこまで深い関係を持つのはフェザーンにとってもリスクがありすぎる。同盟政府の政治家達が密約そのものを使ってフェザーンをコントロールしようとしかねない。情報の遮断についてもフェザーンが勝手にやったことだろう。
いくら考えてもヤンが何を考えているのかが分らない。何か俺は見落としているのか? 戦闘詳報からそれが見えるだろうか? 分らない。どうにも不安が募る。いかんな、先ずはできる事を片付けよう。
二個艦隊壊滅、損傷率九割、ゼークト、フォーゲル、エルラッハは戦死、シュトックハウゼンの生死は不明。この後始末をどうつけるかだ。頭の痛い話だ。ラインハルトの進退問題に繋がるな。
ラインハルトか……。勝てば落ち着く、負ければ反省する、ミュッケンベルガーにいった言葉が思い出される。馬鹿な話だ、こんなことになるとは思わなかった。反省どころじゃ
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