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lineage もうひとつの物語
冒険者
アリ穴四階 part3
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けそうじゃわい"

重量のあるグレートアックスを軽々と振り回しながらガンドはアリを足止め、倒していく。

それから数分経ったところでテオから撤退の合図がはいる。
背後の仲間達の気配が遠ざかりアリ達の切れ目が近付いたところでアレンとガンドは目線で合図を送り会うと最後の一匹を叩き伏せアリの死骸に背を向けると一気に駆け出した。








「何もこないとは思うがエレナさんはあいつらが向かった通路を。俺とイオで反対側を見張ろう。アーニャちゃんは真ん中でどちらにでも対処できるようにしててくれ」

そうしてウォレス達は各々の役割を果たすべく配置についた。

「大丈夫かな」

アレンの消えた通路を見ながらアーニャは呟く。

「ガンドさんがいるから無茶しないでしょうし大丈夫でしょ。」

エレナは通路の先を見据えたままアーニャを安心させるように呟きに応えた。

「アレン君もここにきて成長している。先程のような大群はわからんが多少ならばなんとでもなるさ。それに頼りになる仲間もいるんだ。アレン君以外は眼中にないかもしれんがもう少し見てやってくれないかな。」

アーニャ達の会話が聞こえたのであろうウォレスが振り向くことなくアーニャを茶化す。

「誰もアレンって言ってないじゃん」

焦ったように言うアーニャは顔を俯かせて恥ずかしそうに振舞う。
場所が場所なだけに大声を上げて笑う訳にもいかず他の3人は押し殺したように喉の奥で笑い声をあげる。

「くっくっく。ま、まぁ冗談はそのくらいにて集中し――――」

「隊長、何か来ると精霊が言っています」

イオニアが何かを察知しそう告げる。
イオニアは土の精霊使いである。
精霊の中でも土の精霊はダンジョンように土に囲まれた場所で活発に活動し契約者に語りかけてくる。
そのほとんどは遊びの誘い等の他愛もない話であるが今回は危険を知らせてきた。
先程の囲まれた場合でも危険を知らせてくることのなかった精霊が知らせてきたのである。
そして”何か”という表現を使ったということは今まで出会ったアリ以外の何かということだ。

「精霊が騒いでいます。我々もあちらに向かったほうがいいかと」

ウォレスは逡巡するも即座に判断を下す。

「よし、すぐに移動を開始する。エレナ、アーニャ、イオ、俺の順に進むぞ。イオはすぐにテオと連絡を取り状況を確認するんだ。そして帰還を促せ」

「了解」

歩きながらテオに会話石で言葉を送るイオニア。

『テオ、そちらの状況を教えて』

眉間に皺を寄せ懸命に語りかけるイオニア。

返答が無い。

『テオ、こちらに向かっているならイエスだけでも』

『テオ―――』

数秒待ったが返答は無く焦りが生まれる。

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