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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第514話】
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へと歩いて向かった。


――遊覧船甲板――


 遊覧船は出港し、緩やかな速度で運航を開始した。


「わぁ……! IS学園って、遊覧船からだとこんな感じに見えるんだね!?」

「そうだな、普段とは違って見えるのは新鮮だな」


 遊覧船から眺めるIS学園は、いつもと違って見える。

 穏やかな海の上を航行する遊覧船――乗客は思い思いにIS学園を観覧したり、街の風景を写真に納めたりしている。

 風と共に乗る潮の香り、夕日に染まる海――乗る時間によっては様々な表情を見せる自然に心を打たれていると――。

 風に靡くシャルの金髪が夕日に当たり、輝きを増していた。

 普段とは違って髪を下ろしているのも相まって、人によっては本当に天使に見えるかもしれない――。


「……ヒルト、ありがとう」

「ん? 何だよ、改まって」

「ふふっ、改まってって訳じゃないよ? ……僕、ヒルトにはいっぱい感謝してるんだ。 ……そりゃ、ヒルト……ちょっと女の子にだらしない所あるけど……」

「ぅぐっ……!」


 実際そうなのだから反論出来なかった、シャル自身の指摘通り、正直だらしないと俺も思う――だがシャルは。


「ヤキモチもいっぱい妬いちゃうけど。 ……僕はそれでも、ヒルトの事が大好きだよ? 良いところも悪いところも、全て含めて……大好きだから」

「シャル……」


 シャルの素直な気持ちが嬉しかった、だからこそ、シャルや他の皆にちゃんと答えを出さないとと思っているのだが――。

 思い悩む俺を見たシャルは、手をとると――。


「ヒルトが……僕達の事で悩んでるのは知ってるよ? ……本当は皆が、ヒルトと付き合っても問題にならない世界になれば――そうなれば、良いのにって思うことがあるんだ、僕」

「シャル……」

「えへへ……。 ……ヒルト、ありがとうね?」


 そう言ってギュッと手を繋ぐシャル――。

 遊覧船はIS学園を繋ぐ連絡橋へと差し掛かる、その圧倒的な橋の迫力と普段は見ることが難しい橋の下を通る瞬間、一部から歓声が湧いた。


「あ……もう遊覧船終わるんだ……。 何だか、一時間ってあっという間だったね、ヒルト」

「……そうだな」


 本当にそう思う、遊覧船に一時間も乗っていないような感覚――楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

 遊覧船を降りた俺とシャル、時間を見ると五時を回っていた。


「シャル、また明日から学校だし……そろそろ戻ろうか?」

「あっ……うん」


 何処か名残惜しそうなシャル、勿論――俺も同じ気持ちだった。


「……なあシャル、寮に戻ったら……俺の部屋に来ないか?」

「え
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