第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
アギト 〜死にかけのWORLD LINK〜
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目が覚める。
蒔風たちは五メートル程の高さで柱に一人ずつ縛り付けられ、身動きの取れない状態にある。
「お目覚めかい?寝坊だぞ、蒔風ぇ!」
「奴」が宙で笑う。
足元を見ると、アントロードがウジャウジャとうごめいていた。
「蒔風さん!」
「大丈夫か!?」
横を見ると、変身の解けた津上と葦原がやはり縛られていた。
氷川はスーツが上手く剥げなかったのか、G3-Xのまま縛り付けられている。
「大丈夫なもんかよ」
「奴」が蒔風に近寄り、上半身の衣服を剥ぎ取る。
「!!!!!」
そこには、先程クィーンアントロードに貫かれた跡と、大小様々な傷跡、さらに開きかけた傷、血で滲んだ包帯が見えた。
「やっぱりな。貴様回復しきってないだろ?オラ!」
「イギッ!ガッブァ!」
「奴」が蒔風の鳩尾に拳をめり込ませ、蒔風が苦悶の叫びと表情を浮かべる。
「ふん、おかしいとは思っていたんだ。いくらか時間が経ってるとはいえ、あれだけの損傷を回復しきっているとは思えないってな」
「どういうことだ!」
氷川が「奴」に叫ぶ。
「奴」はそれに答えた。
「簡単なことだ。蒔風に限界が近いってことさ。幾つもの世界で戦い、負傷してきた。ま、途中で回復を何度かしてはいるがな。それでもやはり限界が来てしまう」
「そんな・・・そこまで?」
「さっきのウォーターカッターだってそうだ。こいつはいざとなれば、自らの力を変換して水が無いところでも生成して使うことができる。だがそうしなかった。さらには指先まで裂ける始末だ。今にして見れば、ここ最近のWORLD LINKも貴様自身は何もせず、最主要人物に任せたものばかりだったな」
「奴」の推測。
それは外れてはいない。
確かに蒔風の体はボロボロだ。
しかし・・・・
「ガブッ・・・で?」
蒔風が口を開く。
「あん?」
「だからどうした」
「ほほぅ」
「オレがどんだけ死にかけようが、それがてめぇの勝因になるわけじゃねぇだろうが・・・・」
「死にぞこないがよく言う」
パチン
「奴」が指を弾くと、蒔風の縄が切れる。
蒔風の体が重力にまかせて落ちていった。
「食え。跡形も残すなよ」
「奴」が命じ、アントロードが蒔風の落下地点に殺到する。
そして蒔風が落ちると、
着地点周辺のアントロードが、押し潰されるように大地に倒れ伏した。
「な、に?」
「おおおおおおおおおおおおァァァァァァァァァ!!混闇陣!!」
地面が漆黒に染まり、力を発揮する。
発揮する能力の系
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