第55話
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜ベルゼビュート宮殿〜
「……………っつ……ハッ!?」
気を失っていたセオビットは意識を取り戻し、起き上がった。
「あ………よかった………目覚めて………」
「…………シルフィエッタ………」
そして背後から声が聞こえ、振り向くとそこには安堵の表情を浮かべたシルフィエッタがいた。
「グッ…………」
その時、背中の痛みを感じ、セオビットは呻いた。
「無理をしないで。治癒魔術はかけたけど、まだ完全には治りきっていないわ。今は身体を休めなさい。」
「…………そう。確か水面に落ちたはずだけど………貴女が運んだの?」
「ええ。ずっと水につかっていると風邪を引くでしょう?」
「………………」
シルフィエッタの説明を聞いたセオビットは黙り込み、近くにあった壁に背もたれた。
「「…………………」」
そして少しの間、2人は黙り込み、その場に静寂が訪れたが
「………いくつか貴女に尋ねたい事があるのだけど………いいかしら?」
何かを決意した表情のシルフィエッタが静寂を破り、静かな声でセオビットに尋ねた。
「………私が答える事ができる事なら答えてあげるわ。」
「わかったわ。じゃあ………」
そしてシルフィエッタはセオビットに何故行方不明になったか、その後どのような生活をしているのか、そしてリウイを何故”父”と呼んでいるのかを尋ね、セオビットはシルフィエッタから視線を外しながら静かに答えて言った。
「……………そんな事が…………でも……その事が切っ掛けで今の貴女は親しい人もできて充実な日々を送っているようね…………それにあの半魔神の方――――リウイ陛下は貴女の事を娘として可愛がってくれているのね………」
「……ええ。私にとって父様―――リウイ様は私を受け入れてくれた恩人で憧れの人よ。…………イグナートと違ってね。」
「………………」
セオビットの話を聞いたシルフィエッタは驚いて黙り込み考え込んだ後、やがて決意の表情でセオビットを見つめた。
「………イグナートで思い出したけど………先程のリウイ陛下の話―――私に償いをしたいというのはどういう事?」
「っつ………!…………」
シルフィエッタに尋ねられたセオビットは辛そうな表情で黙り込んだ後、静かに答え始めた。
「だって………貴女は違ったから…………」
「え?」
「貴女は………シルフィエッタはイグナートと違って、私に親として何度も接しようとしてくれた!………貴女にとって私は憎んでいる男に無理やり孕まされ、仕方なく産んだ娘なのに………」
「………………」
セオビットの話を聞いたシルフィエッタは驚きの表情でセオビットを見つめた。
「私はその事
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ