第55話
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に気づかず、貴女をいつも愚か者の母と蔑んでいた!………フフッ………本当に愚かなのは私ね……………求めていた親のぬくもりがちゃんとあったのに全てを失った後新しい生活をし始めて、その事に気付くなんて……………」
「………………………」
皮肉気な笑みを浮かべたセオビットをシルフィエッタは驚きの表情で見つめ続けた後
「……………」
「ちょ、ちょっと!?」
なんとセオビットを優しく抱き締め、セオビットはシルフィエッタの行動に戸惑った。
「……ごめんね………貴女の本当の気持ちに気付けなくて…………」
「そんなっ………謝るのは私の方よ!………貴女は私に親として接しようとしてくれたのに………私はそれに気づかなく、いつも酷い事をっ………!ごめんなさい………!本当にごめんなさい………!!ううっ………ああ………うああああ…………!」
シルフィエッタの言葉を聞いたセオビットは驚いた後、涙を流しながら謝り、泣き続けた。
「セオビット………………」
そしてシルフィエッタは泣き続けるセオビットの背中を泣き続ける赤ん坊をあやすかのように撫でながら、目を閉じて微笑みを浮かべて涙を流し続けた。その後、セオビットは泣き終えた。
「…………恥ずかしい所を見せてしまったわね………」
泣き終わったセオビットはシルフィエッタから離れ、顔を明後日の方に向けて呟いた。
「ふふ………気にしないで。貴女は私の血の繋がった娘なんだから。どれだけ成長しようと母に涙を見られるのは恥ずかしい事ではないわ。」
「…………………」
自分の言葉を聞いて微笑んでいるシルフィエッタをセオビットは驚きの表情で見つめた後
「………私の事………まだ娘として接してくれるの?………昔は貴女を蔑み、貴女が心底から嫌い、憎んでいる男に無理やり孕まされた娘なのに………」
言い辛そうな表情でシルフィエッタに尋ねた。
「………確かに貴女の言う通り………貴女は私が望んで産んだ娘ではないわ。………だけど貴女が私の娘である事は変わらない。それに今の貴女は昔の貴女と違って………優しさや明るさがあるわ。それだけで十分よ。それに私は信じていた………貴女とならいつか分かり合えるって………」
尋ねられたシルフィエッタは静かに答えた後、優しい微笑みを浮かべた。
「シルフィエッタ…………」
「フフ………貴女こそ私の事、さっき助けてくれたみたいに”母様”と呼んでくれないのかしら?」
嬉しそうな表情で自分を見つめるセオビットにシルフィエッタは上品に笑いながら尋ねた。
「え………いいの………?」
「いいも何も、私は貴女の”母”なんだから。」
「母様………!」
シルフィエッタの言葉を聞いたセオビットは嬉しそうな表
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