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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第231話
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1月19日、同日19:20――――





学院を見て回っていたリィンは学生会館の”読書部”の部室から聞こえてくる声に気付いた。



〜トールズ士官学院・学生会館〜



「だから違うって何度も言っているでしょう!?」

「フフッ、別に隠さなくてもいいのよ?貴女も年頃の女の子なんだから、年頃の男の子同様少なからず”こういうもの”にも興味を持って当然でしょうし。」

「ううっ、私は部長とは違うって何度言えばわかるのよ……」

(この声は………エマとクロチルダさん?まさか言い争いをしているのか……?だとしたら仲裁した方がよさそうだな…………)

部室から聞こえて来た聞き覚えのある声を聞いたリィンは部室に入った。



「あら、リィン君。」

「リ、リィンさん!?一体どうしてこちらに……」

「通りがかったら二人の声が聞こえてきて、ちょっと気になったんだ。何だか言い争いをしているみたいに聞こえたけど……」

「え、えっと、それは………」

リィンの疑問を聞いたエマは言い辛そうな表情でリィンから視線を逸らし

「フフ、可愛い(エマ)がお世話になっている部活が気になってね。それでエマに”読書部”の活動内容とかを説明してもらっていたのよ。」

クロチルダは微笑みながら答えた。



「はあ……でもさっきエマが声を荒げて何かを否定していたように聞こえましたけど……」

「ああ、それならこれの事でしょうね♪」

「ね、姉さん……!」

戸惑いの表情をしているリィンの疑問を聞いたクロチルダは机に置いてある本の一冊を手に取ってリィンに見せ、それを見たエマは焦った。

「本………?―――――あ”。まさか以前アルフィンが言っていた女学院でも流行っている”乙女の嗜み”とやらの本ですか……?」

「ううっ……そうです……いつも鈍感なのに何でこんな時に限って鋭いんですか……――――姉さん!何度も言っているように、私にそんな趣味はないわよ!部長に毎日そのジャンルの本を勧められて、それを回避するのにどれだけ苦労したと思っているの!?」

クロチルダの説明を聞いてすぐに何かを察したリィンは表情を引き攣らせ、エマは疲れた表情で肩を落とした後クロチルダを睨んで指摘した。



「フフ、それじゃあ読んでいたのは”こっちの方”かしら?」

「そ、それは…………」

クロチルダが新たに手に取った本を見たエマは表情を引き攣らせ

「えっと……その本は一体何なんですか?」

エマの様子を見たリィンは冷や汗をかきながらクロチルダを見つめて尋ねた。



「ただの男女間の関係を面白おかしく書いた”官能小説”よ♪」

「姉さんッ!」

「………………」


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