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小さかったあの娘
6部分:第六章
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ているだけだけれど

 その姿がやけに心に残る

 赤い傘と青い制服

 その二つが目に映っているせいかな

 道を行く女の子が顔を急に明るくさせると

 やって来たのは一人の男の子

 彼を傘に入れて二人になると

 女の子はにこやかに笑って窓の世界から姿を消した

 
 銀色の雨が降る夕刻

 喫茶店の窓の中の女の子を見る

 彼女は誰かを待っている

 ぼんやりと佇んでいるだけだったのに

 ふと顔を右に向けて明るく

 白い靴下と黒い靴
 
 その二つを動かして歩くと

 その先には男の子が一人いて

 傘を持たない彼を中に入れた

 彼とにこやかに話し合いながら

 二人きりになって世界を創って

 女の子はそのまま窓の世界から消えていってしまった


 道を行く女の子が顔を急に明るくさせると

 やって来たのは一人の男の子

 彼を傘に入れて二人になると

 女の子はにこやかに笑って窓の世界から姿を消した

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