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真・恋姫無双〜徐晃の道〜
第7話 初めての真名
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何か、ねぇ?

司馬懿さんと並んで歩いていると、司馬懿さんが俺の左手を握って来た。

「ダメ……?」

頬を染めての上目遣い、そして若干の潤んだ瞳。

パーフェクトだぜ!

そして、断れるわけねぇだろ!!

「いや、いいよ」

そう答えると、司馬懿さんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。

だが、俺の左手を握る手は強くなった。

昨日、夕食を食べた部屋に入ると、司馬防さんと母が話しているようだった。

「ふむ。では、そういうことで」
「ええ。こちらとしても嬉しい限りです」
「あら、おはようございます」

俺たちに気付いた司馬防さんが、笑顔で挨拶をしてくる。

俺から絞りとったお陰か、司馬防さんの肌が艶々しているような気が……。

「あら?……ふふっ」

司馬防さんは司馬懿さんの手とつないでいることに気付き、小さく笑った。

微笑ましいものを見るような目だ。

…まあ、捕食の目よりはマシか。

それでも、気分のいいものではないけどな。

「おはようございます、母上」
「ああ、おはよう」

俺は母の隣に腰を降ろすと、朝の挨拶を交わす。

同様に、司馬懿さんも挨拶をしていた。

「縁。朝食を食べたら、すぐに出発しよう。そろそろ伯縁が泣く頃だ」

泣くって……。子どもじゃないないんだから。

でも、あの父なら有り得るな。

朝食も終わり、出発に備えて司馬防さんから食料などを分けてもらった。

「縁、準備は出来たか?」
「はい」

準備も終え俺たちは玄関に立つ。

「お気を付けてお帰り下さい」
「世話になった」
「いえいえ、こちらこそ」

母と司馬防さんが別れの挨拶を交わし、俺も司馬懿さんと挨拶をする。

「徐晃……」
「元気でね」

瞳を潤ませ、俺を見上げる司馬懿さん。

くっ!最後の最後まで可愛いぞ!

「……徐晃。私の真名、預ける。私、皐月」
「ありがとう。俺は縁」

俺の手が、自然と司馬懿さんの頭へと伸びる。

結婚して子どもがいたら、こんな感じなのだろうか……。

前世では味わうことは無かった、父性だ。

司馬懿さんから手を離し、次は司馬防さんと向かい合う。

「司馬防さんも、お元気で」
「ええ、徐晃殿も」
「司馬防さんにも、私の真名を預けます」
「あら、私もよろしいのですか」
「はい」
「そうですか?ですが、妥当かもしれませんね。身体も重ねた、深い関係ですしね」

司馬防さんは俺の耳に口を寄せると、そう囁いた。

確かにそうなんですけど、母の居る前では勘弁してください。

「ふふっ。私は葉月と申します」
「私は縁です」

2人と真名を交換し、俺たちは街を出る。
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