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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第37話 盗撮
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かしたら、更衣室にも隠しカメラが仕掛けられているかもしれないからだ。
全ての確認が済むまで待機を余儀なくされる。

「ええええー!サソリさんが来たんですの!?」
ピンクの花柄のタオルに身を包んだ湾内がプールサイドにあるベンチに腰掛けながら泡浮の話を聞いて驚愕していた。
「な、なんでわたくしに言ってくださらなかったんですの?」
「いえ、サソリさんも用事があるようでしたのでして」
「そんなですわ......」
ガックリと肩を落として、気落ちする。

「もしかしまして、湾内さんの彼氏が来たんですの?」
同級生の子が湾内の隣に座りながら、訊いてきた。
「そうみたいですわ......会いたかったですわ!」
ギュッとタオルを握りしめて、身体のガードを固くする。
「それでその殿方はどちらに?」
「盗撮をしていた方を捕まえに行きましたわ」
泡浮のその発言に湾内は、フワフワしま髪がイヌの耳のようにピクピク動いて、頭を持ち上げた。
「サソリさんは、わたくしの為に捕まえに?」
「きっとそうですわよ」
湾内の表情がパァーと明るくなった。
鼻歌まで歌い始める。
「嬉しいですわ。サソリさん」
幸せそうに身体を揺らしている湾内に、隣に座っている同級生は、自然と穏やかな気持ちになって、落ち着いた。

湾内さんがこんなに会うのを楽しみにしているなんて、一体どんな方なのでしょうか?

自然と顔が綻ぶのを感じた。

すると、突如として何もない空間から眼鏡を掛け、太った男が光る糸で縛られながら湾内達の前に出現した。
その後に、同じように一点から拡張された世界へ赤い髪のサソリも現れる。

「弱すぎて話にならんな。捕まえてきたぞ」
「............」
何らかの能力により不意に出現した赤い髪のサソリがその場は騒然とした。
「?」
サソリは首を巡らすと、倒れている太った男を片腕で持ち上げると泡浮の前に持ってきた。
「これでいいか?じゃあな」
「あ、はい」
ドスンと男を置くと、さっさとその場から立ち去ろうとするサソリだったが
「サソリさん!」
「んげ!?」
タオルに身を隠した湾内がキラキラとした瞳でサソリを見上げていた。
サソリの右腕をがっちり両腕で掴むと絡めていく。
「サソリさん!ありがとうございますわ」
スリスリと嬉しそうに肩に擦り寄ってくる湾内にサソリは、顔を直視しないように反対側の斜め上を眺める。

こういう事になるから
さっさと帰りたかったんだよ

サソリは抱きつかれている湾内のタオルの下に何やら水に濡れているような感触が腕から伝わった。
「お前、その下どうなってんだ?」
「タオルの下ですの?水着ですのよ」
腕から手を離してピラッとタオルを観音開きにして学校指定のスクール水着をサソリに
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