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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第37話 盗撮
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らつかせながら、壁に手を置いて伸びをする。
「ん?」
サソリが何かに気が付いて、壁の一部分を指先で叩いた。
「どうかしましたの?」
サソリの行動を不思議に思った泡浮が訊いた。
「何かあるな」
「少し見せて貰ってもよいですの?」
よく見ればガラスの球体のような物が壁にはまり込んでいる。
触れば球体感が一層強くなる。
「もしかしたら、カメラではありませんか?」
「カメラ?これか?」
サソリが携帯電話を取り出した。
「それもそうですわ......でも、なぜこちらに、どなたが?」
「......そういや、この壁の向こう側に変な奴が居たが」
「!?そ、その方が犯人ですわよ。どうしましたか?」
「別に何しているか分からなかったから、ほっといたが」
「ええええー!まだ近くにいますから、お願いしますわ」
「?分かった」
イマイチ、要領を得ないサソリだったが壁を蹴り上がりながら、先ほどの太った男がいた場所を見下ろすが、機材がそのままの形で放置されていて、男は既に逃げていた。

「しょうがねーか」
サソリは、先ほどの男が放っていた微弱なチャクラを追って、一瞬で建物の上に上がり辿る。


眼鏡を掛け、太った男は交差点で息を病気的な程に荒く息をしながら、呻き声をあげていた。
「ぶぅ、ぶぅ、ぜぇぜぇ......ま、まさかあの子供が常盤台の子と知り合いだったにゃんて、おかげで余計な体力を使ってしまったにゃ」
歩行者信号が青に切り替わり、疲労困憊の脚で熱せられたアスファルトを踏み締めていく。
熱せられた鉄板のようだ。

「早く、僕ちんのアパートに戻ってエネルギーを補充しないとマズイにゃ、あの子供許さないにゃ」
袖口で汗を拭りながら、道を曲がると男の弾力抜群のお腹に何かが辺り、黒い影がひっくり帰った。
「痛ったー。あ、すみません!大丈夫ですか?」
黒髪をした、活発そうな少女が尻餅をついていた。
ボーダーの袖に、ボーダーのズボン下にスカートを履いている。
ニコッと笑顔を見せながら、両手でお詫びのポーズをする。
「ごめんなさい!急いでますので」
少女は、氷を張りながらスケートのように道路を滑走していく。

太った男は、その様子を呆然と眺めていた。
「天使だにゃ......ついに僕ちんだけの天使を見つけたにゃ」
曲がり角から始まる恋。
アニメや漫画ではよくある展開だにゃ

太った男は、トキメク心が抑えきれなくなり、少女が滑走して行った道へ戻り出した。


太った盗撮男を追っていたサソリは、通りで急ブレーキを掛けた。
「あ?方向転換したか?反応が弱すぎてよく分からんな。えっと」
感知タイプではないサソリは、集中してみるものの、あまり高位能力者ではないようで探り出すのに苦労しているようだ。

「サソリ
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