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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第37話 盗撮
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原型を留めていないチョコ棒.......チョコペーストを不快そうに舌打ちする。
赤い髪の少年は、紙袋を持ったまま目の前にある壁を見上げた。

この壁の向こうに何かあるのか?
湾内達のチャクラを辿ってきたら、妙な動きをする男が居たから質問したが......

「なんにゃ?チョコ棒じゃダメかにゃ......仕方ないにゃ、特製のレアフィギュア(カナミン)を一時間だけ貸してあげるにゃ。これで何処かへ.......!?」
後ろにいたはずの赤い髪の少年がいなくなり、口を半開きにさせながら見渡すと花園へと続く壁の上に上半身を引っ掛けて中を見ていた。
「にゃにゃー!?君は何をしているんだにゃぁぁー!」
「ただ泳いだりしているだけだぞ」
「バレてしまうにゃ!は、早く降りてくるんだにゃ」
「バレる?」
必死にジャンプをして赤い髪の少年の脚を掴もうとするが、普段からの運動不足からから地面から数センチくらいを上下しているだけに留まる。
その内に脂ぎった眼鏡が滑って、地面へとずり落ちてしまった。
「ふぅ、ふぅひぃひぃ!心臓が破裂しそうだにゃ。眼鏡がにゃいとな、何も見えぬ」
地面に四つん這いになりながら呼吸を整えていく。額からポタポタ滝のような汗が溢れて流れ出していた。

初めて見る奇怪な生物にサソリは、壁の上から眉間に皺を寄せて見下ろした。
「変な奴だな。さて、さっさと用件を済ますか」
壁の上から見知った顔がいないか、辺りを窺うように見渡した。
「さ、サソリさん?」
下方から声が聴こえて、視線を向けると泡浮がポカンとした様子で見上げていた。
「ああ、お前か......よっと」
サソリは、壁に手を弾くように力を入れると腹部を軸にしながら回転しながら、足からプールサイドに音も立てずに着地した。
「どうかしましたの?」
「湾内はいるか?」
「湾内さんなら、あちらに......でもお話しをしていますので」
「そうか、よし。じゃあ、これを湾内に渡してくれ」
サソリは、脇に抱えていた紙袋を泡浮に手渡した。
渡された泡浮は、「?」と疑問を浮かべながら大きめの紙袋を上から見たり、横から見たりしている。
「なんですの?」
「湾内が落としたものらしい。入り口で見張りがいたから渡そうとしたら、居眠りしてやがったからここまで来た。はあー」

サソリは、外套の胸元をパタパタを広げたり閉じたりして空気の流れを作りだして少しでも通風性を良くしようとしている。
「その恰好暑いですわよね?」
「暑過ぎて何もする気が起きん」
「よろしけばプールに入っていきます?」
泡浮は、暑がるサソリをプールへと促したが
「いいや......もう行くから」
「えっ!?湾内さんに会われないですの?」
「会ったら面倒な事になりそうだからな、じゃあな」
頭をふ
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