暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第37話 盗撮
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「あらあら、おかわいそうに。近い内にきっと会えますわから、気を落とさずに」
「ありがとうございますわ」

すっかり人気者になってしまった湾内に、友人の泡浮を嬉しいような寂しいような感じで湾内の様子を見ていた。
「引っ込み思案だった湾内さんが、あそこまで積極的に、サソリさんの存在が大きいですわね」
軽く拍手をした。
湾内に気付かれないようにそっと、ゆっくりと......

常盤台が所有するプールには、水泳のための施設に加え、能力者の能力を測定する場としても使われており、四方全てに壁があり仕切られていた。
その壁は衝撃吸収や防音に加えて、女生徒を不審な輩から守るために結構な厚みの壁である。

常盤台は名門のお嬢様学校であり、庶民とはかけ離れた世界に住んでいる。
一部のマニアには、そういう本物のお嬢様の隠し撮り映像や写真が裏で出回り、高額な値段で取引されているとう噂があった。
「数ヶ月準備をして、ようやくカメラのレンズを壁の先に仕掛けることができるにゃ」
眼鏡を掛け、太った男がバックから極小のファイバースコープを取り出して、先日空いたばかりの小さな穴に滑り込ませた。
厚い壁を深夜帯に来ては、少しずつドリルで穴を開けて、巡回の警備員が来たらすぐに隠れる。
いなくなったら、すぐに作業を再開。
ドリルの音を気にして、少しずつ慎重に事を進ませた。

「ここまで来るのにどれほど犠牲を払ったことかにゃ......観ていた深夜アニメを泣く泣く切り離しての作業......身を引き裂かれる思いだったにゃ」

超機動少女(マジカルパワード)
カナミン
トキワガール
我が家の狸神様
萌え萌え憑き娘......etc

全部我慢してきた分が今日から報われるにゃ
この壁の奥にある素晴らしき花園を撮影し、自分で生の常盤台女子中学生を堪能した後に売ってしまえば、犠牲になったアニメのDVDを購入するんだにゃ
「ふふ、笑いが止まらないにゃ!さあて、カメラテストをしてしまえば」

ノートパソコンを機動して撮影準備に取り掛かっていると後ろから声を掛けられた。
太った男が居た場所は、雑多な物が置かれた所の陰になっている所で大通りから見えない位置にいる。
「何してんだお前?」
「にゃ?!」
太った男が脂汗を流しながら振り返った。
そこには、赤い髪をした少年が疑心そうに見下ろしている。
「?」
無垢な感じで首を傾げている。

にゃにゃ!落ち着くにゃ
まだガキだにゃ
あしらえばお終いだにゃ

「あー、悪いにゃが......僕ちんは、これから非常に大切な仕事があるんだにゃ。早くママの所に帰るにゃ。ここで見たことは忘れてくれるにゃら、これを上げるにゃ」
ポケットから暑さでドロドロに溶けたチョコ棒を赤い髪の少年に渡した。

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