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まいどあり
第七話 赤い疾風、緑の剛剣、唸る魔砲
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磁力”の魔石かっ!」

「? “磁力”の魔石?」

 ターバンの男の言っているのが、緑髪の男の使用している魔道剣の核になっている魔石の事だというのはライドにもわかったが、一目見ただけでそれと判断できる目利きに驚かされた。
 ライドなど今改めて見てもあれがどんな魔石かもわからないのに。

「金属を引き寄せる事の出来る魔石だ。ランクの高いものならば金属を身に付けた人間くらい簡単に……お前も魔道技師だろう!! これ位の事一目見て判断できんのか!?」

「し、失礼だな! 僕だって磁力の魔石の存在とその効力位は知ってるよ! ただ、あれがそうだと気が付かなかっただけで……」

「クソッ! 未熟者か! こんな未熟者の為にとんだ貧乏くじを引かされたものだ!」

「何でそこまで言われなきゃならないの!?」

 再び剣を交え始めたものの、今度は一転して不利な状況になっているミリーの様子を見ながらイライラと口にするターバンの男の言い草に、ライドも思わずムッとなって言い返す。

「そもそも僕は魔導技師だ。魔道具の事は分かっても魔石の事まで熟知しているとは限らないでしょ。それにあの男の使っている剣が魔道剣だと気がついたのは僕じゃないか。そっちは気付きもしなかったクセに!」

「魔道技師に目利きの能力がない時点で未熟者であると自ら語っているようなものだ! より良い魔石を選び抜いて取引する俺と同列に並べるでないわ!」

「僕だってより良い魔道具を選び抜き、作り上げる事くらいは出来るさ!!」

「ならばっ!」

 緑髪の男の剣戟を自らの剣で受けて吹き飛ばされるミリーを指さしながらターバンの男は叫ぶ。

「この状況を打破する事の出来る魔道具の一つや二つ位当然持ち合わせているのだろうな!!」

「当たり前だ!! 直ぐに持ってくるからここから逃げるんじゃないぞ!?」

「誰が逃げるか!! 貴様こそ逃げるなよ未熟者が!!」

「逃げる訳無いだろ!? この腐り目野郎!!」

 正に売り言葉に買い言葉であるやり取りを交わすと、ライドは自らの店舗であるボロ小屋まで駆け戻る。
 その足は真っ先に初めに少女と緑髪の男の激突で破壊された棚だった残骸へと向けられる。
 
 その残骸の中にあるのはよくわからない金属や回路だったが、その中でただ一つはっきりと形となっている物体が転がっていた。
 それは筒状になっており、一見するとパイプか何かのようだったが、端に付けられたグリップと蓋のような機構から辛うじて魔道具とわかるような代物だった。

「……まだ未完成だけどこれだったら……」

 ライドはパイプ状の魔道具を拾い上げると、ニヤリと笑う。

「見てろよ腐り目野郎。この僕の仕事ぶりを腐りきった目に焼き付けてやる」

 呟き、
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