9話 一夏戦
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―――次で、この戦いが終わるのだと。
静寂に包まれたアリーナで鬼一と一夏の乱れ切った呼吸だけが反響する。
「っ!!」
「うおおおおおおっ!!」
一瞬で最高速度にまで加速した2人は互いの間合いに踏み込む。
上段から振り下ろされる雪片弐型。
左から右へと薙ぎ払われる夜叉。
どちらも紛うことなく必殺の一撃。
零落白夜が鬼一の左肩に叩き込まれる。一瞬でシールドエネルギーが0にまで削られそうになる。
それに対して鬼一の夜叉はまだ届かない。敗北が見えた。
だが一瞬という極めて短い時間があれば、それだけで充分。
さらに踏み込んだ鬼一の一撃が一夏に炸裂する。絶対防御が発動し僅かに残っていたシールドエネルギーが消費される。
互いの一撃が交差し、2人は勢いを殺せずに体勢を崩しそのまま地面を転がる。シールドエネルギーが0になった2人にはどうしようもなく、そのまま意識を失い転げ回り、勢いを殺して最後には反対側の壁に身を預けることになった。
そして、アナウンスがアリーナに響く。
『試合終了。両者、同時にシールドエネルギー0につき、引き分けとする』
意識を失った2人にはその声は届いていなかった。
そのアナウンスで身体が動くようになった楯無とセシリアは急いで駆け出した。鬼一の身を案じて。
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