10部分:第十章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
第十章
28.淡恋
最初は気付きはしなかったけれど
気付いた時には何か恥ずかしかった
それが恋だと気付いた時は
お互い何と言っていいかどうにもわからなかった
顔がほんのりと赤くなって
照れ臭くなって 恥ずかしくなって
困ってしまって何も言えなくなった
手を差し出したのはあの娘だった
俯いて顔を真っ赤にしたまま
僕はその小さな手を握る そうしたらその手は
少しだけ僕の温もりと重なった
気付いた時にゆっくりはじまった
恥ずかしかったけれど嬉しくもあった
握り合うその手が温かく
顔を見合わせてにこりと微笑み合うと
僕の顔も赤くなっていたんだ
照れ臭いし 恥ずかしいけれど
それでも温かさがとても嬉しかった
あの娘の差し出した手を握って
その温もりを感じている僕は
今度は彼女の微笑を見て 近付きたくなった
けれど今はそれを止めた
俯いて顔を真っ赤にしたまま
僕はその小さな手を握る そうしたらその手は
少しだけ僕の温もりと重なった
29.繰り返されるけれど
前にもこんなことがあった またやってしまった
こう思うことは多い
何度も何度も同じ間違いをしてしまう
けれど人間はその中で進んでいく
少しずつだけれど前に進む
本当に少しずつだけれど前へと進む
それが人間なんだと思う 弱いものだけれど
何度も同じ間違いをしてしまうけれど
そんな人間でもいい 少しずつ前に進むなら
そうしたことも全部含めて
人間は歩いていくものだ
また同じ間違いをしてしまい それを悔やんでも
それにめげないで
何度も何度も立ち上がって歩いて
それでも先に進んでいかないと
人間は駄目になってしまう
間違いは何度もしてしまうものだけれど
それは忘れないでいても めげたり弱ったりしても
先には進んでいかないといけない
弱い間違いは受け入れて そうしたものも心の中に
自分を見捨てたりしないで
先へ進んでいきたいんだ
そんな人間でもいい 少しずつ前に進むなら
そうしたことも全部含めて
人間は歩いていくものだ
30.小さかったあの娘
まだ小さかったあの娘が
今では綺麗になって 最初は誰かと思った
そんな彼女を見てこれが華なのかと思った
小さな蕾が大輪になった
気付きもしなかったのはその蕾が
雪の中に隠れていたからだろ
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ