第26話 帰宅、そして―――
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を盗み聞きしている者達がいた。
士郎がノーマルなので口惜しく我慢しているが、それでも現時点で何所までいっているか気になる冬馬に2人がくっつく事により最強の恋敵が退場してくれることを切に願っている京。
『・・・・・・・・・・・・』
そして意外な事に、小雪と大和も気になっていた。
小雪は士郎の事を兄同然に見ているが、いざ恋人が出来そうになったからか、複雑そうに窺っていた。
意外な事にそれは大和も同様だった。
大和にとって百代は色々無敵過ぎる姉気分だ。
最高級の美人でもある事は大和も認めていたが、だがそれだけだった筈。
それ故、今自分が百代と士郎に向けている感情を自覚し発見すると、自分の事ながら誰にも察知されないように装いながら驚くのだった。
――――まさか俺、姉さんの事が好きだったのか、と。
そんな大和の装った気持ちに京だけには気づかれていた。
(やっぱり大和、モモ先輩に惹かれてたんだ・・・。けど大和の伴侶になるのはこの私だっ!――――帰ったら大和を落とすのと並行して、モモ先輩と士郎さんのくっ付ける策を考えなければいけないなッッ!!)
京は誰にも気づかれないように装いながらも、静かに闘志を燃やしていた。
しかし、理由は判らずとも京が闘志を燃やしていることに、大和だけは気付いていた。
ある意味相思相愛である・・・・・・のかもしれなかった。
−Interlude−
士郎の運転で皆を家まで送って行った。
一番最初にモロの家。
二番目に島津寮及び島津家前。
三番目に京極の家。
そして四番目に今現在居る川神院だ。
冬馬達3人を車内で待たし、士郎は百代と一子に付き従って鉄心の自室に来ていた。
そこにはルー師範代を伴った鉄心がいた。
「なるほどのぉ〜」
鉄心が相づちを打ったのは、一子の修業体制の変革と条件付きである百代との組手稽古の件だ。
この2人の件は、百代と一子は自分達だけで報告と許可を取ろうとしていたが、今後の川神院の重大案件になるだろうと士郎が提案したので、同伴してきていた。
「いいだろ〜爺ぃ」
「お前の件は、士郎君さえ言いのなら儂は口出しせんわい。問題は一子の事じゃ」
鉄心が横目で、2人で真剣に話し合っている一子とルーを見る。
一子は真剣な表情だが、ルーは渋い顔をしていた。
「お願いします。師範代っ!」
「・・・・・・・・・」
本気も本気の一子の頼みに、ルーは何とも言えない顔をし続ける。
先程からこの繰り返しに鉄心は一度溜息をつき、口を挿む。
「一子よ。ルーは別に反対してるわけじゃないんじゃぞ?」
「え?」
「アっ、総代!?」
「ルーは単に悔しいだけじゃ。一子の
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