第26話 帰宅、そして―――
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るんだ!私が“士郎”と付き合ってるだと!冗談も休み休み言えっ!!」
「そうだぞ京極?俺が“百代”何かと釣り合う訳無いだろ?」
「士郎と百代・・・か。2人とも何時から呼び合う仲になったんだ?」
京極は士郎と百代の言葉を聞いた時の他の皆の意思を代弁する様に聞く。
「えっ、あっ、そ、そんな事どうでもいいだろ!?」
「ふむ。取りあえず攻略されつつあると言う事か。流石は衛宮だ。やるな・・・!」
(士郎さん・・・・・・お得意の天然ジゴロでモモ先輩を攻略中?よしっ!大和を狙う上での最大のライバルが消えた。ありがとう士郎さん!!)
百代の答えに京極と京だけ何故か納得した。
それ以外は納得しきれていないものの、そこまで追求するほど興味は無い者と興味はあるがプライバシーに関わる事なので自重する者に見事に割れたのだ。
しかし当事者であるうちの1人、百代はそんな事を気にもせずに士郎を睨む。
「それよりも、私“なんかと”釣り合う訳無いとは如何いう意味だ?」
「ん?意味も何もそのままだが。俺と百代みたいな可愛い女の子が釣り合う訳無いだろ?」
「・・・・・・・・・」
百代は士郎の言葉に苛立ちを無意識に治めながら面を喰らう。
こんな公衆の面前で臆面も躊躇もなく、可愛いと言う言葉を平然と使う士郎に赤面すらも忘れる程だった。
それを京が百代に囁く。
「モモ先輩モモ先輩」
「ん?京?」
「士郎さんは誰だろうと平然と言って来るから、一々リアクション取ってたらきりがないよ」
「まさか京も言われた事あるのか?」
「私の場合、大和がいたから大丈夫(未だ絶好調で片思い中)だったけどね!」
頬を赤らめキャーと言わんばかりのポーズを取る京に、百代は何とも複雑な顔で士郎を見る。
それを薄っすらと片目だけを開けた京が、百代の様子を窺う。
「・・・・・・・・・」
(まだモモ先輩に自覚は無いかな?クッ、士郎さんの誑しスキルでも現時点ではこれが限界か・・・。中途半端に終われば再び大和争奪戦の最大のライバルが復活してしまう。それだけは何としても避けなければッッ!!)
この京の思考時間、僅か2秒。
そして百代から微妙な視線を受けている当の士郎は、首を傾げつつも居心地が悪そうにしていた。
「何なんだ?」
「それを判らないのが士郎さんの致命的な欠点なんだよ」
京はこのまま百代と士郎をくっつけたいと思っているが、露骨な後押しをすればその後どのような影響が起きるか想定できないので、歯噛みしつつも軽い注意だけに留めたのだ。
結局、当人たちにそれ以外の大きな反応と変化も無いので、暫くして士郎と百代のお互いの呼び合いにも周囲が慣れて行ってしまったのだった。
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