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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第512話】
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「……は、はい。 や、やり方は知ってはいます。 ……は、恥ずかしいのですが、殿方との接吻……初めてなもので」


 やっぱりキスで戻るようだ、美春はドアを出したがあれは難しいのだろうか。


「ひ、ヒルト様、瞼を閉じてくださいまし……」

「あ、あぁ」


 言われた通り瞼を閉じると、ツバキは――。


「ヒルト様、篠ノ之箒様にお伝えください。 次はもう、チャンスは有りませんよ――と。 ……ん……」


 言ってから唇に柔らかな感触が伝わる、暫く唇が重なっていると来たとき同様に視界が真っ白な閃光に包まれた。


「――か! 有坂!」

「ん……」

「き、気が付いたか、有坂!?」


 意識が覚醒した俺、どうやら戻れたらしく、まだ唇に柔らかな感触が残されていた。

 瞼を開くと、篠ノ之の顔が見える。


「気が付いたようだな。 ……い、いきなり意識が無くなるから……」

「ん……」


 本当に心配していたらしく、篠ノ之の目が僅かに涙目になっていた。


「……悪いな、篠ノ之。 ……それよりも、一回だけ部分展開だけで良いからしてくれるか?」


 身体を起こし、預かった紅椿を手渡す。


「し、しかし……紅椿が応えてくれるか……」

「……まあ騙されたと思って、な?」

「わ、わかっ、た……」


 篠ノ之は意識を集中し始める――瞼を閉じ、何度も呼吸して右手を前に突き出した。


「……紅椿、私に……応えて、くれ……!」


 願うように呟く篠ノ之の右手が光を放ち、紅椿の右腕部分が展開される。


「…………」


 何度か瞬きをし、右手を握ったり開いたりを繰り返す。


「……あ、有坂……!」

「……良かったな、篠ノ之」


 そう言うと、篠ノ之は嬉しさからか力一杯俺を抱き締めてきた。


「有坂のお陰だ! わ、私だけでは……絶対に無理だった! ……有坂、ありがとう……!!」

「ぐ、ぐぇ……」


 力一杯抱き締める篠ノ之、その豊満な乳房が押し付けられるも抱き締める力が強すぎて骨がミシミシと悲鳴を上げた。


「わ、わあっ!? す、すまない有坂、だ、大丈夫か!?」

「……ハグ死するかと思った……」


 冗談ではなくわりとマジで、ロッカーを拳一つで凹ませた力は伊達ではないという事だろうか。


「……篠ノ之、とりあえず今回はこれで大丈夫だとは思うが、次同じような事になったら、多分二度と乗れなくなるかもしれないぞ?」


 篠ノ之は神妙な面持ちで頷き、胸に手を当て、息を吸い込む。


「……大丈夫だ。 ――とはいえ、言葉ではなく、これからの私の行動で信用を
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